・神道という言葉……最古の例は『日本書紀』。仏教伝来後、仏教との区別のため、それ以前の神々の信仰を神道と呼ぶようになった。
・神社のルーツ……祭りの際には、山とか岩とか木とか(依代)に神が宿ると考え、そこに臨時の祭壇を作った(神は祭りが終わると帰っていく)。祭壇を風雨から守るために仮の建物を作り、次第に常設されるようになり神社へ。
・靖国神社……尊皇攘夷の志士のために明治政府が全国に招魂社を作る。東京招魂社が靖国神社。
・神社の本殿……伊勢神宮などは四重の垣が巡らされ、視界から遮断される。(「なんか隠されてる」のはミステリアスでよいかも?)
・祝詞……言霊信仰による。「良き言葉は良い方向に。悪い言葉は悪い方向に」「口にした言葉そのものに超越的な力や働きがある」。現代でも結婚式や受験生などにはタブーとされる言葉がある。古代の人が祈りや願い、呪いを口にしたのが祝詞。
・忌詞……仏教関係(仏→中子(なかこ)/寺→瓦葺(かわらふき)/僧→髪長(かみなが))、仏教関係以外(死→奈保留(なおる)/病→夜須美(やすみ))
・祝詞……古代から現代まで作られてる。延喜式祝詞は神道の古典。韻とか対句とかが巧くて、壮麗で格調高いので(※宗教の芸術性をチェック)、祝詞の規範として重視されている。
・祝詞の構造……定型化されている。大体の流れは、「へへえ、神さま」→「この神社や祭りの由来は神話によるとこうっすよ」→「だれだれがこう祈願してますよ」→「マジよろしく!」。
・神主は祭りの際には斎戒をする。大嘗祭とかのでかいイベントだと、一ヶ月くらいかける。期間中は、白い綺麗な服を着て、沐浴して、病人を見舞わず、喪を弔わず、獣の肉やニンニクを食べず、音楽を聴かない等。
・禊と祓……穢れを除くのが禊で、罪を除くのが祓
・神饌(しんせん)……神に供える食べ物。米、水、塩、酒、魚、野菜、菓子など。ちなみに生のまま供えると「生饌」。調理してると「熟饌」、魚肉がなければ「素饌」。生きた動物を捧げると「生贄」。古代の人は稲に特別な力があると考え(稲魂)、米と酒が重要視されていた。祭りが終わると参列者みんなで食べる。(ミサとの比較/一緒に食事をすると仲良くなれる→神とも仲良くなれる→力を分け与えられる/ミタマノフユ)
・巫女……もともとシャーマン。神楽はトランス状態に入るための踊りが洗練化したもの。
・参拝作法……服喪明け50日までは参拝を避けるべき。手水舎では手と口を洗ったあと、ひしゃくの柄にも水をかける(※潔癖症的)。
・神仏習合……「神も解脱すべきじゃね? 神前で読経しよう」「ウチの寺の土地神って寺守ってくれんじゃね?」
・本地垂迹説……反本地垂迹説も出る。
・御成敗式目……「寺社異なるといえども崇敬これ同じ」→現在の日本人の宗教観に影響?
・神道の教義……「言挙げしない」が神道の特徴。つまり、理論や教義を主張しない。言霊とも関連し、声高に言い立てることを禁忌とする習慣による。平安時代以降、仏教などに影響され、「両部神道」「山王神道」「法華神道」などの神道理論が興る。その後、仏教に影響されてちゃダメだろ、と「伊勢神道」(陰陽道の影響?)や「吉田神道」(他宗教は参考にしません、と言いながら密教、陰陽道の影響を受けてる)、「儒家神道」、「垂加神道」などが興る。
・国学……「いや、ホント他宗教の影響受けるのやめようぜ」的な古典研究。そっから興った復古神道。平田篤胤は来世観も作ってる。
・神道十三派(神道系新宗教)には古典に登場しない神を崇拝してたりする(金光教の金光大神、天理教の天理王命など)
・神前結婚式……明治期になってキリスト教の婚礼に影響されたもの。1900年に皇太子の結婚の際に作ったものをみんなが真似てたらしい。
・神道の葬式……近代になって広まったらしい。お通夜→祝詞→告別式→火葬、といった感じ。葬儀の後は霊前祭。翌日祭、十日祭、五十日祭、百日祭、一年祭と続く。五十日祭を過ぎたら神棚のまつりを再開。一年祭を終えたら御霊舎に御霊を合祀し、永く守護神として祀る。
神道 (図解雑学) | |
井上 順孝 おすすめ平均 平易に書かれているが内容は濃い、今までになかった神道についての解説本 図の工夫がいい 神道世界がよく分かる Amazonで詳しく見る by G-Tools |