【5/22】2008年25号のジャンプ感想(補足)


サイレン

>> それにしても体を張って意思を取り戻そうとして駄目だったドラゴンのヒロイン力が凄いと思う
>> このままだと雨宮さんピンチですね
(掲示板より)

>> 今週はヒリュー君のあまりのヒロインっぷりに
>> 雨宮さんが出てないことをすっかり忘れてた
(掲示板より)

 やべえ、もうどうなってもヒリューくんの人気が揺るぎねえ。


>> タツオがヒリューをぶっ刺したのは、ヒリューが「一匹の龍だ」とか言い出したからではないでしょうか。
>> 「人の恥ずかしい過去掘り出すとかマジ勘弁してください。もう死んでくださいよ」的な。
(掲示板より)

 あああああああああああ、これは気付かなかった!!!!! 絶対間違いないよ。あれは僕がタツオでも刺したよ!


>> キヨツグくんが「主人公以上に明確な行動原理と実行力」を持っているとすると
>> ヒリューは「行動原理・実行力・サイの才能・派手な必殺技・体力・(ヤコ的な)他人に対する判断力」を持っているので、
>> 冷静に考えると主役をくいかねないキャラであり、早期に死ぬタイプのキャラだった気がします。
>>
>> 報われないイメージが強くて気付きなかったけど、
>> 「お前のせいじゃない」みたいな、
>> テーマ的にも重要で、相手がアゲハだったからよかったものも雨宮にいってたらデレかねない強力なセリフを、自発的に言えるのはかなりすごい。
(掲示板より)

 これは盲点。僕も報われないイメージが強すぎたけれど、確かによくよく考えればリクオどころではないくらいアゲハは食われてたよなあ。毎週毎週、掲示板でも「ヒリューたんハァハァ」はあったけど、アゲハとかほとんど触れられなかったし。


ワンピース

>> 天竜人の警備の甘さがどうしても気になっちゃいます。
>> 天竜人に手を出す→大将がやってくる→怖いから手を出せない
>> って流れでしょうが、物理的な警護は多少ごたごたしてたとはいえ
>> ゾロがすたすた歩いてすぐ目の前にいけた事からザルといっても過言では無い感じで
>> 大将が何ぼのもんじゃいな覚悟してる人や頭がアレな人には一切障害にならない気がするんですけどね。
(掲示板より)

 あ、本当だ。キチガイにはまったく対処できないね、天竜人さん。死刑制度にしてもそうだけれど、事後の復讐制度ではキチガイを抑止できないんだよなあ。つーことはアレか、実は今回のボニーさんみたいに、大将を呼ばれたくない海賊が必死にキチガイから天竜人を守ってたりすんのかな。


>> 天竜人にとって一般人てのは
>> 同じ空気を吸うことが苦痛と感じるほど
>> 下等な存在であるにも関わらず、
>> セクロスは普通にできるんですね。
>>
>> 一般人で言うと、猿や牛馬なんかとセクロスする感覚?
>>
>> 気持ち悪ぅ
(掲示板より)

>> それ凄く違和感あるよね。
>> 「家畜人ヤプー」でもヤプー(=日本人)と抱き合うのは便器と抱き合ってるようなもの、
>> という描写があったし。
>> いわゆる不可触賎民は性の対象にはならんと思うが。
(掲示板より)

 この天竜人さんは、すごく特殊な性癖の持ち主だったんじゃないかな……!


>> 南北戦争前のアメリカでは、白人が奴隷の黒人女性を性欲処理の相手にするなんて事はよくありました。それによって生まされた子供も多数います。
>> だからといって、彼らがその黒人女性を自分と対等の相手とか恋愛対象として見ていたかというと全然そんなことはありません。
>> 「自分より下等な相手だからセックスの相手にはしない」なんてことは言えませんよ
(掲示板より)

 やっぱり男の下半身とのうみそは別物なのね(´・ω・`)


>> ボニーさんの食べた実の名前はロリロリの実と予想。(掲示板より)

 今週の描写的にそうとしか思えないけど、だとしたらボニーさんはハズレもハズレ、ドハズレですね。でもまあ、世の中、必死の念修行の結果、似たような能力を手にした某ビスケさんみたいな人もいるしなー。


ブリーチ

>> 本当過去編は普通に面白すぎて困る。
>> 今週も無理なくヴァイザード達が選ばれたって感じだし。
>> 来週が気になりますね。
(掲示板より)

>> 本当に面白くて「困る」んですよね。
>> なんで困るんだろう?
>> 僕らはブリーチに何を期待しているのか。
>> 今までが今までだから、変な方向に快感を感じるようになってしまったのか。
>> 久保先生に調教されちゃった?
(掲示板より)

 困っちゃないけどねw でも、本当に、いつもこのレベルなら、ブリーチを看板漫画として心から受け入れることができるのに。残念なことですね(´・ω・`)


>> >・大鬼道長+副鬼道長=副鬼道長+副隊長
>> >それ、釣り合ってないよ! もはやかませの代名詞と化してしまった副隊長と大鬼道長をエクスチェンジとか意味分かんないぜ。
>>
>> 大鬼道長が直接戦闘タイプでなく、矢胴丸リサが卍解を使えて賢いなら釣りあっていなくもないような。
>> 仮面の軍勢(ヴァイザード)の面々は、ハッチを除いて卍解を使えるような気がするんだよな。
>> 物語がここまで来て、卍解を使えないなら戦力にならないと思うし。
>> この過去編の時点で卍解を使えなくても、これから100年間修行すれば、副隊長格なら卍解を会得可能だと思うんだ。
(掲示板より)

 そうか、リサが強いという可能性は失念してました。現状でも副隊長以下で卍解できる人が二人もいるんだし、リサができないと決め付けるのもアレだよなあ。この100年のうちに朽木兄が卍解習得してそれなりに使いこなしてることを考えると、現代の仮面の軍勢連中なら確かに卍解習得してそうですね。


>> 見た感じ、自分の指示で行かせた部下が危険に瀕して狼狽してる浦原に対して、
>> 隊長としての手本を見せるために、京楽が部下を上司の許可を得ずに行かせたって流れっぽいですね。
>> そう考えたらそう矛盾もないと思います。
(掲示板より)

 納得。ありがとうございます……!


>> 今回みたいなケースで調査に出る(出られる)のが副隊長クラス以上のみ
>> という事態に、燃える前に「そりゃないよ」って思ってしまった。
>> バトル漫画でコレを言うのも酷な話ですが「階級が上の人ほど戦闘力が高い」
>> って組織構成は脆すぎるよなー。
>> H×Hやワンピは戦闘力は弱くても実務や政治力、あるいはコネで上にいるやつ
>> もいるよ、というイメージがあるけど、ブリーチは階級=戦闘力という
>> イメージが強すぎる。
(掲示板より)

 そういえば、今回って別に人数制限する理由もないよね(キメラアントだと弱者はエサにされちゃうけど)。まあ、「隊長格を選んで~」ってだけなので、来週はそれぞれ部下を率いてくるかもしれないけど。後は、浦原さんの態度から見るに、どこの隊長も全員部下思いで「部下は危険に晒せないぜ」ってのはあるかも。「階級が上の人ほど~」というのは何が問題なのかちょっと良く分からないです。


ナルト

>> ちょっと前のマダラ曰く
>> 「イタチの行動の説明をするためには木の葉隠れの里創設の話をするのが必須」
>> みたいな事を言ってた気がするけど実際には
>> 「うちは一族は優秀だけど里の要職から遠ざけられてた鬱憤からクーデターを起こそうとした。でも戦争が嫌いなイタチがクーデター前にうちはを全滅させた
>> とは言え流石に弟だけは殺せないから里の上層部の人に掛け合ってサスケの身の保障を約束させた後、自分は里を抜けた」
>> だから、別にマダラさんの『俺可哀想話』は必要なかった気が・・・
(掲示板より)

 あ、あれ……?? ほ、ほんとじゃね、これ…………。


トラブル

>> 100回記念だからCカラーでおっぱい。
>> 100回記念だから更衣室でおっぱいモミモミ。
>> 100回記念だからみんなどこでもおっぱい披露。
>> 100回記念だから主人公にもおっぱい追加。
>>
>> 「記念=おっぱい」という確固たる信念。
>> まさにとらぶる。おっぱい。
(掲示板より)

 なるほど、そう考えると実に意義深い、覚悟の感じられる一話であることだなあ。


>> >他の男ってザスティン様とレンしかいないけど!
>> 次週リトくんは校長に襲われるわけですね。わかります。
>> しかし、多少のヨゴレもこなす主人公が女体化した場合、校長との絡みはどのくらいまでOKなんでしょうね。
>> もっと言えば春菜ちゃんやララとリト子の女×女の絡みの許容範囲もどれくらい広がるのか。
>> もしかしたら、もしかしたら来週のトラブルは・・・!?(ゴクリ
(掲示板より)

 しまった、校長を忘れていた! あの人は見た目が女ならノンケだろうが平気で食っちまいそうだしね。でも、だ! よくよく考えて欲しいんだけど、元男のリトちゃんと太ったおっさんの絡みで人気が出るのか、この漫画。チャンピオンREDじゃねーんだからさー。


>> >揉まれ子さん
>> >キミはもう少し自分の立場というものをわきまえた方がいい。キミの存在価値はそこにしかないのだから。
>> だが少し待って欲しい
>> 揉まれ子さんは敏感に自分の出番を感じとって、初めて(?)能動的に揉まれようとしたところを
>> 隣のやーねー子さんによって阻止されてしまったのではなかろうか。
(掲示板より)

 ごめん、揉まれ子さん。僕はきみの苦悩を理解してやれなかった。


ネウロ

>> 弥子「ここで帰ったらあいつに骨何本折られる事やら」
>>
>> 今までのをギャグとして認識してた(すぐ元通りになってたし)だけに
>> 弥子ちゃんの口から「骨を折られる」という直接的なダメージを受けるっぽい
>> 言葉を聞いてちょっと驚きました。
>> 普段も普通なら骨折・内臓破裂位の事をされてる気がするんですけどねぇ
>>
>> セリフ的には「そりゃココで戻る訳には行かないよね~」と納得してさらっと
>> 読むところなんでしょうけど、何となく気になってしまいました。
(掲示板より)

 ウン。アレは僕もちょっとビックリした。実は剣心みたいに、「弥子さんは超人じゃないのよ。数々のネウロの虐待で身体はもう限界のはず……」みたいな状態だったりしてね!


ダブルアーツ

>> 人類の希望を、自らの命を投げ打ってまで逃がしたら
>> わがまま言って戻ってきました、とか絶望しか感じないと思います。
(掲示板より)

 キリの行動が少年漫画の主人公的に正しいかどうかは置いといて、犠牲になったシスターからしたら、「おまえ、もう死ね! どうでもいいから、もう死ね!」くらいにムカついたと思うな。僕ならムカつく。


バリハケン

>> なんで三国志の台詞を勉強もしてなさそうな不良がわかったんだろう
>> おまけにその時の背景まで。
(掲示板より)

 よく分からんけど、漫画に出てくる不良ってやたら博学なんだぜ。エンジェル伝説の黒田さんも、「天真爛漫というか天空海闊というか・・」とかスラッと口にするんだぜ。天空海闊の四字熟語はこの漫画で覚えました。


ぬらりひょん

>> 清継くんに引きずられてか、最近この漫画が好きになりつつあります。
>> 今週は名言等が無かったものの、相変わらず清継くんが良い奴でほっとしました。
>> それに考えてみるとあの妖怪ポーカーって非常に良くできた代物ですよね。
>> 遊びながらも絵と数字を見ることでその妖怪の強さと名称をいっぺんに覚えられる。
>> 今後、清十字怪奇探偵団のメンバーが妖怪に遭遇したら「やべぇ、アイツは妖怪レベル10の~~~だ!」とか言うんだろうな、きっと。
>> きっと清十字団の仲間達に妖怪について興味を持ってもらおうと必死になって考えたんだろうなぁ・・・。
(掲示板より)

 こういう細かな気配りと異性に執着しないサバサバした態度があれば、男女比3:5なんていう夢のような小旅行が実現するのですね。あと、名言という程ではないかもしれませんが、「アクティブな陰陽師だ」はなんだか好きです。


>> 「アクティブな陰陽師だ」
>> で、なんか笑いが止まらなくなりました
>> 最近、清十字クンと薔薇十字探偵がすごくダブります
(掲示板より)

 あ、良かった。僕だけじゃなかった。


>> 清継くんが何回やってもカスカードしか引けないのを見て、
>> あー、きっと他のメンバーが全員妖怪の存在に気付いても、
>> 最終回を迎えても清継君だけは何も気付かんのだろうなー、
>> そんで、最後までいい友達でいるんだろなー、とか思ってしまった。
(掲示板より)

 なるほど、妖怪ポーカーにはそんな意味合いもあったのですね。つくづくかわいいやつだぜ、清継くんめ。


 ***


 ここからは、昨日書いた「なぜサムライうさぎは気持ち悪いのか」についたレスを拾っていきます。


サムライうさぎ

>> サムライうさぎの気持ち悪さはむしろ「悪役」と「敵役」の区別が曖昧だからじゃないですかね
>> 個人的にですが、わかりやすい悪役が出てきて主人公が成敗するみたいな話はすっきりするんですよ
>> でも流人とか講武館とかみたいなどう考えてもやってることは悪役なのに「本当はいい人なんです」みたいな描写をされるので
>> 読者としては憎らしいのに憎んじゃ駄目なのかなあという気持ちになってストレスが溜まる
>> そこらへんの線引きが下手なのかなあというのが一番です
(掲示板より)

 うーん。確かに暴れん坊将軍のように、「明確に記号的に悪いやつ」が主人公に倒されるのはスッとして気持ちいいんですよ。でも、少なくとも僕個人としては、「悪いやつも1から10まで悪いやつじゃない」的な描き方は好きなんです(ボマーとか)。だから、(少なくとも僕の場合には)そのことが直接に問題なわけでもない気がするんです。ただ、そこに悲劇性がないのは問題かもしれません。「(実は完全な悪ではない)悪いやつ」が主人公に敗れる時には悲劇性がいくらか含まれますが、サムライうさぎにはそれはあんまりないですね(ボマーにもあんまりないけれど)。

 分かりにくい例ですが、銀河英雄伝説において小悪人で嫌われ役のハイドリッヒ・ラングが処刑された後、その妻が「夫は私にも子供にもとても優しい人でした。孤児のために長年寄付もしていました。そんな優しい夫がどうして処刑されなくてはならなかったのですか」といって、それに答えて帝国軍の人が「奥さん、私たちはあなたの夫であるラング氏を処刑したのではありません。帝国軍の公人としてのラング氏を処刑したのです」みたいなことを言うのですが、そういうのはすごく好きなんですよね。


>> みなもと太郎先生のエッセイ漫画に載っていた事ですが。
>> 時代劇というものは基本的に、どの時代かは設定されていない。例え作中で年号が示されていても。
>> 流石に平安時代と江戸時代ぐらいになると分けるものの、
>> 水戸黄門と忠臣蔵と新撰組の時代は、言葉も風習も着物も町並も絶対に違う筈なのに、区別する事はない。
>> 時には、戦国時代と江戸時代でさえ十分に分けない場合さえある。
>> それは時代劇の舞台となっている時代は、全て「時代劇時代」という特殊な時代設定だからである、と。
>>
>> 暴れん坊将軍は「こんな侍ねーよ」ですけど「こういう時代劇はあるよね」になってますよね。
>> それは、きちんと「時代劇時代」に合わせた設定考証をしているからで。実際の江戸時代の設定考証はしていなくても。
>>
>> サムライうさぎは「こんな侍ねーよ」と同時に「こんな時代劇ねーよ」でして、それが「気持ち悪さ」の元になっているんじゃないかと。
>> 例えば、けっこうヘンテコかつエンターテイメント重視な、るろうに剣心なんかでも、最低限の「時代劇時代」の設定考証はしているんですよ。
>> サムライうさぎには、それがない。江戸時代(リアルな侍)を描く為の考証でなく、時代劇を描く為の考証を行っていない。
>>
>> バジリスクやシグルイなんかも、確実に実際の歴史とは違う「伝奇世界」が舞台であると同時に「時代劇時代」の設定も怠っていないですよね。
(掲示板より)

 あー。すっごい納得……。そうか、僕は「実際のサムライ」を基準にニ作品(サムライうさぎと暴れん坊将軍)を見ていたから良く分かってなかったのであり、「時代劇のサムライ」を基準に見れば解決する問題なのですね。それだと「甲賀忍法帖(バジリスク)」が同じくらい「そんな忍者ねーよw」で閉塞的な物語であっても問題ないんだ。つまり、ポイントはやはり、「ぼくたちのしってる時代劇ではない」というその点に「きもちわるさ」を感じてることになるんでしょうか。でもそうだとしたら、これは僕の方が受け取り方を改めなきゃいけない気がするなあ(苦笑) そんな目で見てちゃーダメな気がします。


>> サムライうさぎの場合、たとえ全てのサムライが「いいサムライ」ってのになったとして
>> それでカタルシスは得られないと思います。
>>
>> なんていうか、サムライうさぎの「悪いサムライ」って「悪」じゃなくて「キチガイ」に近いと思います。
>> 言葉は通じるけど、話が通じないタイプの。
>> あの世界の登場人物は明らかに「何かがおかしい」んですよ。
(掲示板より)

>> サムライうさぎの敵は体面を気にするサムライ。ただ、その気にしかたが恐ろしくに短絡的。
>> 「こんなサムライねーよ」というよりは、「こんな脳みそねーよ」と感じてしまいます。
>>
>> 悪を生む原因が金などならば分かりやすく、構造も単純でいいのかもしれませんが、体面という現代人の思考ではすぐには納得できないものであるならば、もっと丁寧に扱われるべきです。
>>
>> ところがサムライうさぎでは体面を脅かす恥が生まれる過程が単純そのもの。「とりあえず理不尽にしときゃいいんだろ」というようなただ理不尽で不愉快な描写を重ねます。
>> ギャグ要素も完全な逆効果。そんなことやってるならもっとプロットを練ってくれ!と感じてしまう。ギャグもあっていいはずなんですが・・。
>>
>> 短絡的な敵に、少年漫画のお約束を脳みそに貼り付けたようなこれまた短絡的な主人公達が挑んでいき、しかもその間にたっぷり理不尽な描写が詰め込まれるとあっては、これはもう楽しめというほうが無理があるなあと。
>> 安易なご都合主義で理不尽な描写をされるととても腹が立ちます。
(掲示板より)

 これも問題の一つかもしれませんね。つまり、サムライうさぎは「閉塞した武士社会」を描こうとしているのだけれど、その閉塞の仕方が身分制の理不尽さをデフォルメ(強調)しすぎた結果、まるで「キチガイ」のようになっており、そこで感情移入を拒んでいる、と。

 しかし、たとえば、甲賀忍法帖では「宿怨」というだけでニ族間で殺し合いが生じ、これを僕たちはまるで諒解できませんが(キチガイとしか思えませんが)、こっちにはちゃんと悲劇性が生じているんですよね……。ただ、甲賀忍法帖のニ族間対立は太平洋戦争のメタファーでもある(と思う)ので、その点を鑑みれば感情移入不可と言うわけでもないのかもしれません(身近に感じられるキチガイ性/起こりうるキチガイ性)。一方、サムライうさぎの場合は、僕たちがそのキチガイ性を「起こりうる」と実感できないところに問題があるのかもですね。


>> 伍助の父がハゲを隠そうとして切腹させられたことを思い出してみると
>> 体面を気にするサムライ社会というのを小学生にも分かる形にデフォルメして
>> その対極に奔放な志乃を配置して、言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズン!
>> という作品をやろうとしてたんだと思います。
>> その「体面を何より気にするサムライ」というのがいつの間にか「とにかく悪い奴ら」になっちゃったのが
>> 歪みを生んで何か気持ち悪い感じになってしまったんじゃないかと。
>> 最近の「卑怯な手を使って勝つサムライ」とか全く体面気にしてませんしね。
>>
>> そもそもこの作品って15で結婚、自分の価値観や能力と相容れない社会だけど剣を恃みに身を立てていくぜ
>> っていう微妙に少年誌らしからぬ(いい意味で)あたりに評価や期待をされてた気がするので、
>> その社会が単なる「悪」になってしまえば主人公側は必然的に「いい人」にならざるをえず、
>> そうやってだんだん期待してたよりも薄っぺらい内容になっていくのも余計に気持ち悪さをかき立ててるんじゃないかと。
>> 最初から期待してなかった人とか気持ち悪かった人はどうだか知りませんけど。
(掲示板より)

 むむむむむ。そういえば、僕も初期の(志乃とイチャイチャしてた頃の)サムライうさぎは好きだったのでした。つまり、閉塞するサムライ社会に対するカタルシスとして志乃が機能していたのが、いまはさっぱり機能していないってのはあるかもしれません。「カタルシスの小出し」は、そうか、志乃が担っていたのか……。


>> バトルもの以前の「人情」のあたりで気持ち悪かったと思う…
>> 「悪いサムライ」の悪さだけじゃなくて、「いいサムライ」のいい人ぶりも薄っぺらい
>> 個人的に西先生に通じる気持ち悪さがある
>> 「それいい話のつもり?」「酷い話のつもり?」みたいな
(掲示板より)

 ああー、これも思い出してきました。そういえば、「薄っぺらさ」に関していえば、僕は志乃については、「福島め、やりおる……」くらいに思ってたんですよ。少なくとも志乃の描写は(基本的に福島先生のことは小馬鹿にしていたのに)思わず褒め称えてしまうくらいに良かった。最近、志乃が活躍せず、感心することがなくなって以来、確かに、(薄っぺらいとまでは思わないけれど)感心することはなかったなあ。


>> うさぎの初期はごっちんが悩んでいたというのも大きいと思います。
>>
>> 例えば千代吉の話だと、
>> 「信じている相手(ななな神)に見捨てられたらどうする?」という命題を
>> 「志乃に見捨てられたらどうする?」という形にして、自分の問題として悩むわけです。
>> そして「お面が売れなかったら改良すればいいじゃない」な志乃を見て、応用し、
>> 「志乃に見捨てられたら、それは自分に至らぬところがあったということだ」という解答を得る。
>> ごっちんが解答をつかんだ瞬間、千代吉の問題も
>> 「草が売れなきゃ酒にすればいいじゃない」という形で決着する。
>> ストーリー上の課題は二義的なもので、焦点はごっちんの心の問題にあってたわけです。
>>
>> 「怪我した敵に薬を渡すか否か」って話でも、
>> いったんごっちんが(千代吉でもいいけど)迷った上で
>> 「怪我したら誰だって痛い」にたどり着き、
>> 最終的にウズラが千代吉を助けて完、だったら綺麗だったと思いますが、
>> 最初から「これが正解」というものを主人公がわが持っていて、嫌がる相手に押し付け、結局押し通してしまう。強引な宗教勧誘みたい。
>>
>> 素材はいい(書いててちょっとびっくりしたほど)と思うので、惜しいです。
(掲示板より)

 それに関して、これ。志乃が活躍しなくなった、というよりは、志乃を通して描かれていた「突破口」が表現されなくなり、つまり、突破するための「悩みのタネ」がそもそもなくなったのが問題なのかもですね。


>> サムライうさぎが気持ち悪いのは、敵味方ともあまりにも類型的というか、記号的というか、
>> あからさまに「悪人」だったり「善人」だったりするせいで、
>> 「サムライは悪いやつでちゅねー。主人公たちかわいそうでちゅねー。」と言われてる気分になるからだと思います。
>> 多分、安易に人を殺して泣かせようとする作品とか、
>> 前にかがみさんが言ってた「ラスト十分で主人公が『今週のテーマ』を語り出すドラマ」を
>> 見たときの嫌悪感に近いものだと思うんですが、要するに「とりあえずこうしときゃ
>> みんな勝手に感動してくれるだろ」的な安易さが鼻につくんだと思います。
>> 普通そういうのは「陳腐でつまんねー話だな」程度で済むんですが、
>> このマンガの場合、それがあまりにもあからさまで(その上ぺスターさんが言ってるように
>> 不自然な展開に説得力を持たせる気もなくて)「ほらほらかわいそうだろ? 泣いちゃうだろ?」と
>> 馬鹿にされてる気分になることが原因だと思います。
(掲示板より)

 僕はサムライうさぎに関しては、ある程度「とりあえずこうしときゃ~」はスルーできてる気がするんですけどね。たぶん、福島先生は「とりあえずこうしときゃ~」では描いてない気がします(秋本先生は絶対そうだけど)。しかし、スルーしてるつもりではあっても、他要素と組み合わさって(他意見参照)、無意識下でマイナスイメージが醸成されているのかもしれません。


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