・お経＝釈迦の教説
・大蔵経＝色んなお経をまとめたもの
・大蔵経は三つの部分より成る。経蔵、律像、論蔵。三つ合わせて三蔵。
・釈迦が死んだ後、弟子達が集まって会議を開き、「こんなことを言ってた気がする」と思い出しながら成文化してまとめた。
・小乗仏教では歴史的人物としての釈迦の教えを実践してきたが、大乗の人たちは新しくお経を作って、歴史的な釈迦ではない、神格化された（たくさんの）仏や菩薩（阿弥陀仏や弥勒仏や普賢菩薩など）を信仰した。「般若心経」とかもこの時作られた。
・親鸞の絶対他力の教えは、色も形もない仏に全てをお任せして執着しないということ。
・日本でも宗教体験に基づいて書かれたお経があり、釈迦の教説ではないので厳密にはお経ではないが、今の感覚で言うとやっぱりお経（こういうお経もある）
・日本でよく読まれるお経たち
１、浄土三部経
ⅰ）無量寿経……阿弥陀仏の救済の論理。偉い坊主が西方に極楽を作って、そこで自分が阿弥陀仏となって、みんなが悟れるように特別講義を行うというもの。
ⅱ）観無量寿経……能力の劣った人でもがんばって阿弥陀仏の名を唱えてれば極楽に往生できるよ。
ⅲ）阿弥陀経……極楽浄土はいいところだよ。念仏唱えなさい。
２、法華経……仏の教えを聞いたり（声聞乗）、師に頼らず一人で悟りを開こうとしたり（縁覚乗）、自分の悟りはさておき、多く人々を救おうとしたり（菩薩乗）の三乗はすべて仏になれるよ（一乗）、という一乗思想。あと、仏は永遠だよ。
３、観音経……観世音菩薩は人々を救ってくれるよ。
４、般若心経……全ては空だよ。
・普段は聞かないけど有名なお経
１、華厳経……釈迦の悟りそのものを説いたお経。難しい。
２、大日経・金剛頂経
３、理趣経……智慧にいたる道。エッチの話もあるよ。（般若の智慧によればエッチも清浄だよ）
４、涅槃経
５、維摩経
６、勝鬘経
７、弥勒経……56億7000万年後に弥勒がくるよ。
８、阿含経……歴史上の釈迦の言葉がたくさん含まれてるらしい。
９、法句経
10、父母恩重経……メインドイン中国。父母の恩の広大なことを説いたもの（儒教の影響？⇒儒教の根強い中国で受け入れられるよう中国人が作ったものという説がある）
11、盂蘭盆経……餓鬼道に堕ちたお母さんを救う話。（同上）
<宗派>
・天台宗……声聞乗も縁覚乗も菩薩乗も全て一乗に帰する（一乗思想）と考える。これは「法華経」に拠ったアイデアだけど、全ての教えは一乗に収まるんだから、色んなお経を読むよ。
・真言宗……真言密教。六大（物質的要素、空間、精神的要素）が大日如来（宇宙そのもの）であり、如来への信心をもって、手に印を結び、口に真言を唱え、心に仏を念ずると（三密加持）、即身成仏できる。
・禅宗……臨済宗は看話禅（公案を使う）、曹洞宗は只管打坐（ひたすら座る）
・浄土宗……南無阿弥陀仏と唱えれば誰でも極楽往生できて救われるよ。理論的には「聖道門（自力で悟りを開く）と浄土門（阿弥陀仏の特別講義で悟りを開く）のうち、浄土門を選んでいる」「浄土門に入るため、正行（阿弥陀仏の名を唱えたり、礼拝したり）と雑行（その他）のうち、正行をやってる」「正行のうち、正定業（阿弥陀仏の名を唱える）と助業（その他の正行）のうち、正定業をやってる」から、南無阿弥陀仏を唱えるのがベストなんだって。ラクをしてるのではなく、阿弥陀仏に導かれてベストの中のベストをやってるって感じ。
・浄土真宗……阿弥陀仏に全てお任せ。絶対他力。
・日蓮宗……法華経を重視。南無妙法蓮華経を信じて唱えると、釈迦の救いと悟りの教えが与えられるよ。
・お経には「めやす博士」っていうアクセント記号みたいなのが付いてることがあって、これに合わせて抑揚をつけて読むと美しいらしい。
・絶対他力を説く親鸞が、高熱でうなされてた時、お経をそらで読んで、目を閉じてもお経が見えたので、「オレはまだ自力の心が残ってたのか！」と反省したらしい。
<葬儀や法事で読まれるお経>
・懺悔文（ざんげもん）……今までなした悪や罪を仏の前で懺悔する文。まずは準備として反省して素直な気持ちになる。
・開経偈（かいきょうげ）……経典を読む前に唱える。「やったー、素晴らしい教えに出会えたぞー。理解できるといいなあ！」くらいの内容。
・歎仏頌（たんぶつじゅ）……阿弥陀如来がまだ法蔵菩薩であったころ（人間界にいた頃）、師匠の前で「オレ、マジで人を救いますよ！」みたいな決意表明をしたもの。
・四誓偈（しせいげ）……法蔵菩薩が建てた四十八の願いに基づいて人は救われるよ。
・第九真身観文（だいくしんじんがんもん）……阿弥陀仏の姿を瞑想するテクについて。
・仏説阿弥陀経（ぶっせつあみだきょう）……極楽がイメージしやすいように「こんなところだよ」っていう内容。
・正信念仏偈（しょうしんねんぶつげ）……阿弥陀仏の本願に任せる信心だけが救われる要とする親鸞の宗教世界を説いたもの。
・般若心経（はんにゃしんぎょう）……すべては空ですよー、という話。
・方便品第二（ほうべんぽんだいに）……悟りの境地とは存在の真実のあり様を見通す智慧。その世界は仏のみが100％知ることのできるものだよ。
・自我偈（じがげ）……釈迦は死んだわけではなくて、いつでもどこでも生けるものに働きかけてるんだよ（聖霊観念に通じるものがあるかも）
・観音経……観音さまはいつも見てるから、困っても念じれば助けてくれるよ。
・大悲呪……禅宗の葬儀、法事で読誦される。内容は良く分からん。
・光明真言……何回か唱えると罪障が消滅して成仏できるんだって。内容は良く分からん。真言密教の中心とする仏は大日如来で、その如来の秘密とする言葉（真言）だから、すごい功徳でバリバリ成仏できるんだって。「オン・アバキャ・ベイロシャノウ・マカボダラ～」って感じで続く。
・破地獄偈……餓鬼道に堕ちた人を救えるらしい。お盆に読んだりする。何で救えるのかは分からん。
・一枚起請文（いちまいきしょうもん）……ひたすらナムアミダブツと唱えればいいよ。
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