「少年」
萩原栄……主人公。尋常四年。マゾ。ホモ。足フェチ。
塙信一……金持ちの坊ちゃん。尋常四年。内弁慶。サド。
塙光子……信一の姉。13~14歳。マゾでサド。スカも好き。
仙吉……年上のガキ大将。マゾ。
「そういうわけで谷崎は変態なのですよ」
「小学生の男子三人と女子中学生が真昼間からSMをするのかね」
「はい。恐るべしは主人公の順応性の高さでしょう。金持ちのお坊ちゃんの家に呼ばれて遊んでいたら、いきなりSMが始って……」
「悦んでしまうわけだ」
「そうです。もともと素質があったとしか思えません」
「信一も主人公のM体質を見抜いて誘ったのかもしれないね」
「しかもホモですね。小学四年にして同級生の男の子の足の指を舐めるのが大好きですから」
「せめて光子のを舐めればいいのに」
「その光子の変態性にも着目すべきです。中盤では自分から率先してプレイを求めています」
「見上げたマゾ根性だね」
「その上、一番酷い目に遭うのはいつも光子だそうです」
「それはホンモノだね。で、この話の結末はどうなるんだい?」
「はい、それまでM嬢として振舞ってた光子が一転女王様になり、三人の調教が完了して、聖水を飲ませて終了です」
「……ふうん。ところで、君はこの作品のどこを評価しているんだい?」
「直接的な表現や喘ぎ声を使わなくとも、エロイ作品が作れることを証明している点です」
「なるほどね。エロ本は書きたくないがエロイことを書きたい人の参考になるという訳だ」
「そういうことです」
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