【1/21】2008年8号のジャンプ感想(1)


テニス

・百錬破り

「百錬自得には手塚ゾーンが必須」という意味合いについては、かねてより「オーラを左腕に集中させるため、足へのオーラ配分ができなくなるため」という説が上がってましたが、今週でその見解が正解だったと分かりました。しかし、多くのテニスプレイヤーは無我オーラなんて出していないわけですから、「オーラを出していない人は打球に追いつける」「オーラを出している人は打球に追いつける」「オーラを左腕に集中させている人は打球に追いつけない」と、なんだか変なことになっている気がします。

 これを考えると、実はテニスにおいては、「人は誰しもオーラを出している」のかもしれません。人は常にオーラを出しながらテニスをプレイしていますが、それは不可視オーラであり、無意識コピー状態(無我モード)に入った時のみ可視オーラとなるのではないでしょうか。我ながら何を言ってるんだろう。

 ところで、ふと思ったけど、才気煥発で頭にオーラを集めたら、足とか手が疎かになるんじゃないのー?


・「ゲーム立海 3-0!!」

 早い! 早すぎるよ、許斐先生!! 最終決戦だというのに、展開早すぎるよー。「ヒィ~~、やめてー許斐先生ー、もっと抑えてーっ!」って悲鳴をあげちゃいましたが、でも、ゆっくりやると面白さが損なわれちゃうかもしれないし、信者としてこれは難しいところだなあ。いや、分かってますよ。ワンピに「遅ぇ、遅ぇー」とあれだけ言ってるのに、何を矛盾したこと言ってんのかってのはよく分かってますよ。仕方ないじゃない、信者なんだもの。終わって欲しくないんだよう。


・真田「10年に1度の逸材集いし群雄割拠のこの年――、その時代が創り上げてしまった悲しき産物なのかもしれんな」

 なんで成長が早いだけでこんなこと言われなきゃならないんだ。「強くなったけど、経験が足りないね」ってだけのことを、まるで時代が生んだ歪なフランケンシュタインの如く形容しやがりました。本当に何を言ってるんだぜ、この人は。


・浦山しい太

 そして、本当に何を考えているのか、許斐剛は。ここに来て突然の新キャラ投入です。しかも、浦山しい太。なんですか、そのネーミングは? こんなハイスクール奇面組のようなネーミング、テニスでは初めてですよ。テニス界きっての色物キャラである田仁志様だって「田仁志慧」なんだぜ? 浦山しい太ってなんなんだぜ。

 さらにこのキャラの恐ろしいところは、登場が唐突であることに加え、独り言を呟くだけ呟いて、特に誰のフォローを受けることもなく1ページで消えていったことです。そのあまりの唐突さに、まさか読者投稿キャラかとも思いましたが、よくよく考えればそんなハズもないのです。だって、どんなキチガイ読者が、何を思ってこんなキャラを投稿したと言うんだい?

「名前は浦山しい太! 口癖は羨ましいでヤンス~。テニスは特に巧くない!」

 ↑こんなハガキが送られてきて、許斐先生が「よし、これだ!」と思ったなら、もはやテニス界隈は狂気の海に呑まれたというしかないのです。

 まあ、普通に分析するならば、越前少年の早すぎる成長を悲観的に捉えた皇帝(なんで悲観的に捉えるのか訳分かんないけど)に対して、同じ一年生である浦山少年がポジティブに捉え直したということなんでしょうけど、これに対して、皇帝が「そうだな、浦山……」とか言えば丸く収まるのに、冷たい目で見据えるだけだったから、浦山少年の存在が異常なものになってるんですよ。皇帝がキチガイじみたことを言って、浦山少年が普通のリアクションをしたら冷たい目で見られたという文脈だから異常なんですよ。普通に分析してもなんで冷たい目で見てるのかさっぱり分からないぜ。


・越前「ムカちーん!」「泣かす!!」

 浦山しい太といい、ムカちーん泣かすといい、この辺りの許斐先生は本当にどうしちゃったんでしょうか。でもまあ、許斐先生らしいといえば先生らしい。


・「アイツ、百錬のオーラを全て両足に…!?」「今度は右手にオーラが移動した!?」

 オーラが可視現象であることなんて大大大前提の会話が繰り広げられています。

 オーラ移動……。テニスも遂にここまで来たかーって感じです。オーラが見えたこととオーラが移動したこととの間にどれだけの隔絶があったかは言葉では伝え辛いのですが、とにかく、オーラ移動は全く別のステージへの移行と感じられました。

追記)この「次のステージへ進んだ」という感覚が何によるものか考えてみたんですが、なんとなく答えが出た気がします。

 まず、オーラ現象は当初、演出として登場しました(第一次テニスショック)。それが途中で可視現象であることが分かり、これは演出ではなく実際の現象だと判明します(第二次テニスショック)。そして、次に百錬自得において腕にオーラを集めましたが、この時点ではオーラはまだ「半ば演出扱い」であり、「百錬自得で左腕にオーラを集める」のは、「左腕がスゴイことになっている」という意味での「演出オーラ要素」があったわけです。しかし、今回のオーラ移動により、オーラは遂に演出要素から脱却し、テニス技術の一つとして確立されました。僕が「次のステージに進んだ」と感じたのは、そういう意味なのかもしれません。もはやオーラは演出ではないのです。技術なのです。


・「や、やはり『神の子』は無敵だぁーっ!!」

「百錬自得されたけど返せますよ。だって神の子だから」と、百錬自得すら返してしまった幸村少年。これには白石少年の「だって聖書だから」に通じるものを感じます。どうもテニスには「格バトル」(※1)的な要素があるのかもしれません。大抵のことは「神の子」だとか「聖書」だとかの「格」で返せるのです。これはある意味、論理攻撃の一種と言えるかもしれません。

 そんな「神の子」攻撃をも破った越前少年。幸村少年は「このボウヤはいったい……」と漏らしますが、先述の「格バトル」を考えるなら、この後に続く言葉は「どこまで成長するんだ?」よりはむしろ、「何者なんだ?」ではないでしょうか。この時の越前少年は「神の子」を超える「格」を得ていたのだと思います。


※1……最近の漫画版ジャイアントロボに顕著で、十郎太が「激動たるカワラザキ」に斬りかかった時、肩に刀を突き刺すことに成功しますが、「ははははは、なんともないわぁ~っ!!」「くそっ、パワーが違いすぎるのか!」で効かなかったことになりました。論理的に考えて到底納得できることではありませんが、「激動たるカワラザキ」の「十傑集」という格を加味すれば納得できてしまうのです。


・天衣無縫とオーラ移動

 今週のオーラ移動により一つ懸念が生まれたのが、まさかオーラ移動が「天衣無縫の極み」ではないかということです。いやいや、許斐先生に限ってそんなことはないんだろうけど、でも「左腕に集中」→「頭に集中」→「全身の好きなところに集中」と段階的成長としては天衣無縫の綺麗な落としどころではあるんですよね……。でも、それはちょっとイヤだなぁ。どれほどの恐ろしい能力かと思ってたのに、このくらいじゃ驚きが足りないぜ。

 なので僕は許斐っ子として、許斐先生を信じたいと思います。天衣無縫はオーラ移動なんかじゃないってな! もっとなんかワケのわかんねー恐ろしいテニス能力なんだってな! ……ああ、でも、こうして一度でも疑っちまった時点でかなり信者失格だよなあ、ちくしょう、信仰を保ち続けるのって大変だぜ。


ワンピース

 くまの肉球は回復もできるみたいです。おまけにサイボーグとか、この人ちょっと万能すぎじゃね?

・ゾロ「身代わりのおれの命一つで勘弁して貰いてェ」

くま「(うーん、譲歩したのにまだ譲歩を求められてもなぁ、困ったなぁ……。でもまあ、海賊狩りのゾロなら、まだ上にも言い訳立つかなあ。まあいっかなあ……)」

サンジ「いいや、オレが、オレが」

くま「(おいおい、いくらなんでもサンジは無理だよ……。ムチャ言うなよ、こっちの立場も考えてくれよ……。お前の将来性なんかじゃ上が説得できねえよ(´・ω・`)」

ゾロ「やっぱりオレが、オレが」

くま「(ああ、よかった。ゾロがサンジを気絶させてくれたぞう。よし、もうこの辺でさっさと妥協しておこう)」


 ***

 という、なんか値切りみたいな感じでゾロの命で決着がつきました。ゾロならまだしも、サンジの首もって帰ったら政府に怒られちゃいそうですからね。そんな両者の合意点がゾロだったわけですが、しかし、しかし、彼らは不死身なのです。

「あのー。みんな殺せって確かに言われてたんですけどー。ルフィ一人の命と引き換えで助けてあげようと思ったら、ゾロが身代わりになるっていうから悩んでたら、サンジがさらに身代わりになりそうな雰囲気で、流石にサンジはまずいなあと思ったからゾロで手を打ったんですがゾロ死にませんでした、ごめんなさい(´・ω・`)」

 ↑やっぱりくまさん怒られそうだなあ。どうやって申し開きする気なんだろー。


ナルト

 やっぱり岸本先生には先週のアレで決着をつけることはできないのかー。ちょっと残念。

 先週のは全部二人の脳内妄想(幻術)で、実際は最初から一歩も動いてなかったらしいです。傍観してる暁の人は、きっとテニスの「才気煥発vs陰」を見てるギャラリーの気分だったでしょうね。先週のが丸々なかったことにされて、なんだかションボリな気分は拭えませんが、しかし、幻術掛け合いバトルの描写としては、「まァ、ああなっちゃうんだろうなあ」という仕方ない気もしなくもないです。なんつーか、幻術バトルの描き方としては間違っちゃないんだろうけど、この胸のションボリ感はなに?って感じ。やっぱりションボリだなー。


ライラの冒険

 映画館でポスターを見かけて気になってた映画なので、ジャンプに情報が載っててちょっと嬉しかったです。で、軽く読んでみた感じ、「ハリーポッターっぽいなあ」と思いました。そこで思い出したんですけど、そういえば、ムヒョのMLSっておそらくハリーポッターに影響受けてるんですよね。そんで、ライラは……

「子供たちが次々に姿を消す事件が」
「北の地に佇むある施設に、さらわれた子供たちの姿が」

 ははは、偶然偶然。「魔法律協会北支部に、さらわれたナナの姿が」とか偶然偶然。


リボーン

 デンドロさんこと、絵に描いたようなモヒカンザコがリタイアしました。うん、まあ、典型的なパワーアップ主人公お披露目会でしたね。でも、天野先生はちょっと甘いなー。お披露目会だからこそ、もうちょっとマシな相手を用意してあげればいいのに。こんなモヒカンザコでは一番槍とか言われても全然強そうな気がしません。したがってパワーアップツナも、「ウン、まあスゴイんじゃない?」くらいの印象しか抱けません。

 で、前回寄せられたカキコで気付いたんですけど、テニスの田仁志様のスゴさってここにあったんですよね。田仁志様はあんなにモヒカンザコだったのに主人公相手に善戦したんですよ。だから田仁志様はカッコ良かったのです。モヒカンザコとして登場したデンドロさんが、モヒカンザコ的に敗北したのは、まあテンプレートではあるんですが、所詮テンプレートを脱しきれていないわけです。その点、許斐先生は流石だなあ、読者を裏切ってくるなあ、ということでテニス信者乙。


サイレン

 グッド。非情に素晴らしいッ……! 雨宮さんが「ライズ」とか言い出した時は、目から破壊光線でも出すのかと心配しましたが、「ボウガンをキャッチできる」という、なんとも地味な超人っぷり。これが実に素晴らしい。しかも二回使ったら鼻血が出る辺りも「帝都大戦」のようで素晴らしい。僕は帝都大戦の「相手をちょっと吹き飛ばしたら、反動で自分がえらく苦しむ」というヘッポコ超能力が大好きなのです。映画自体はちっとも面白くないけどな!

 あと、ザコにGEKITOTUされた主人公が冒頭で苦しむとか、吹っ飛ばされた朝河が目がかすんでるとか、人体が脆いだけでも、これほど緊張感が出て面白いんだなあと、改めて気付かされます。あと、特殊な能力がなくても、圧倒的な怪力だけで、劇中人物が「そんなバカな」と言いたくなるバランスもグッドですね。「単に力が強い=強い」を感じたのは、ハンターのウボォーギン以来だー。


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