【12/10】2008年2号のジャンプ感想(1)


 今週金曜夜は黒鈴さんのおうちでラジオ「SBRナイト」をやります。湯豆腐を食べながらやるんだ。JoJo好きな人は聴いて下さいね。


ハンター

・プフが微笑んだ理由

「うはw 王いねえwww」という自虐的な笑いでした。掲示板の方では、この展開を予想してた人もいてスゲエと思いました。全然思いつかなかったよー。

 で、ここの2ページですが、プフがただの「王の駒」ではなく、自主性を持った「王の配下」であることが表現されており、これからモラウ先生と一戦交えようとするにあたり、とても有意義な描写であったと思います。プフの一連の心理を解説すると……

「あわわ、賊が襲ってきたぞ。早く王の下へ駆けつけなきゃ」
              ↓
「でも、王はどこにいるんだろう。コムギのところに行ってる気がするなあ(´・ω・`)」
              ↓
「王を助けるため、コムギのところに一直線に向かうべきだよなー」
              ↓
「いやいや、でも、『僕の信じる王』はコムギのところになんかいかないぞ。王は玉座にいるんだい」
              ↓
「ああああああああ、王さま玉座いねえ。プゲラプゲラ」(←プフは静かに微笑んだ)
              ↓
「王がコムギのところにいるって分かってたのに、『僕の信じる王』を優先して王を守る義務を怠ってしまった」
              ↓
「これは王に対する背信行為だー。護衛軍失格の僕は虫けらだー」
              ↓
「虫けらの僕には『僕の信じる王』を思い描く権利すらない」
              ↓
「だから色々忘れて、今はひたすら王の命を助けることだけ考えるんだ。行こう、王の下へ」←今ココ

 と、こういうわけで、プフが意志を持たぬ駒ではないことを示しているのだと思います。悩んだり、絶望したり、諦めたり、振り切ったりして、それで王の下へ急ごうとしているプフが、「痛っ! なんだこのケムリ! コナクソー」となっているから感情移入できるのです。僕、ちょっと出してあげたいもん。

 プフが意志を持たぬ忠誠心のみの駒であれば、後はモラウさんに倒されて終わるだけの悪役であり、「意志と目的を持つ主人公パーティーの障害物」に過ぎぬわけですが、今回の冒頭5ページでプフにもドラマや目的が生まれ、二人の戦いは「意志と目的を持つ者同士の戦い」へと昇華されている感じを受けました。


・イカルゴ「貸しだぞ」

 今週のちょっと良く分からないポイント。キルアとイカルゴの間にあったのは、「ダチがダチを助けるのは当然だから、ありがとうとか言うなよ」だったと思うんですが、今回のとそれは関係あるのかな。キルアがイカルゴの進行ライン上の敵を倒したことが、イカルゴに対する「侮り」だとすれば(キルアはイカルゴを心配して助けたが、それはイカルゴの力を信用してないということでもある)、イカルゴと目が合った時のキルアが目を逸らしたのも分かります。それに対してイカルゴがどうこういうこともなく、「貸しだぞ」と一言告げたことで、キルアの行為が間違いであること、しかし、それを「貸し」という形で許すことを表明し、キルアが吹っ切れた、という理解でいいのかな?

 で、両扉が開いたのは、ウェルフィンが二人の行動を見てイカルゴを敵と見抜き、兵隊アリを使ってイカルゴを止めに来てるんでしょうか。なんか死亡フラグっぽいなあ。キルアとのやり取りだけではフラッタが操作されてることに確信はもてないだろうけど、爆弾だって捏造しちゃうウェルフィンさんからすれば、レオル亡き今、敵だろうが味方だろうがフラッタ殺しちゃって構わないんですし。後で護衛軍に「コイツ、操作されてましたー」って言えばいいんだから。


・王さま発見

 前回の感想で、ゴンが向かおうとしているところに、ピトー(と王)がいるんじゃないかと書きましたが、ピトーたちがいるのは反対の塔でした。掲示板で教えてくれた方、ありがとうございまーす。

 ゴンは王さまを発見し、会長にピトーの居場所も教えてもらいました。元々、横の塔からピョーンと玉座へと飛ぼうとしていたので、たぶんそこからピトーのところへもピョーンと飛べるのでしょう。時間的にはそれほど掛からないはず。ということは、コムギの治療がまだ終わっているはずもなく、ゴンは治療中のピトーとご対面という流れになりそうです。最後のコマを見るに、ゴンは思った以上に殺る気満々なので、コムギ治療中のピトーを前にして、冨樫先生はこのゴンの気勢をどう扱うんだろう。こんな殺る気のまま、ピトーのところに行くのかー。


・しばらく休載

 予定通り今週からしばらく休載です。10週連続掲載、個人的にはとても満足できました。10週で急いでカタを付けようとするでもなく、この10週で打ち切りということでもなく、そして何より、冨樫先生にまだ連載の意志があるということに満足したのです。さあ、次はいつになるんだろうなー。3ヵ月後とか半年後とか無茶なことは言わないので、願わくば一年以内に連載再開して欲しいなあ。


テニス

・「越前の記憶、戻り始めてます!!」

 相手校の補欠が突然こんなことを言い出したら立海も訳が分からずポカーンとするだろうなあ、と思っていたら、「おかしいと思っていましたが、そう言う事ですか」と、すんなり受け止めました。テニスの試合中に「記憶が戻った」「ああ、なるほどね」という会話が成り立つ辺りが、この漫画も極まってきたなあという印象です。


・桃城「時間稼ぎ…ありがとうございましたぁ!!」

 あ、これは巧い展開……!

 前回のテニスでは「立海のD1は、なんて地味なやつらなんだろう」「こんなヘナチョコな能力で強いとか言われてもなあ……」と思っていましたが、黄金ペアが負けてたのは「手加減してたから」「時間稼ぎだったから」と言われれば素直に納得。読者の「なんだ、すごくねーじゃん」という思いすら利用してきましたよ! やっぱりすごくなかったんだ!


・シンクロ

 いやあ、笑った笑った! 1コマの絵だけで、その週17ページ分のノルマを十分に超えるエンターテイメントを生み出すとか、許斐剛は本当にスゴい人だなあ。最近の勇者学はそこそこ面白いんだけど、この1ページに勝てないんだよなあ。

 この絵のスゴいところは言うまでもなく菊丸先輩なんですが、何が恐ろしいって、一見しただけだと、これが「理解できる絵」に見えちゃうことですね。「ああ、菊丸先輩がブリッジすることで打球を後ろに逸らし、そこを大石先輩がリターンするのか」と一瞬理解しそうになるんです。

 しかし、それが、罠。これ、ブリッジも何も、空中に浮かなきゃ普通に当たらないんですよ。つまり、空中に浮くことがまず無駄なのに、空中に浮いて、さらにボールをかわすためにブリッジをしているのです。そりゃ、丸井少年も目を見開くわな。

 あと、こんな異常な絵面を見せて、「ね、黄金ペアって強いでしょ?」と言いたげな許斐剛は怪物だと思います。


・跡部&真田

 跡部さまがもったいぶらせた挙句、越前少年のところに行くのは見越していたんですが、まさか試合中の真田皇帝まで行くとは思いませんでした。「真向勝負で倒せ。それがオレ達のやり方だ」と、その理由も十分にカバー。シンプルだけど納得できるぜ。普通に良い展開だなぁ。

 最後の真田&跡部ですが、やっぱりこうして並ぶと、跡部さまの方が真田皇帝より遥かに絵になるなあ、というのが個人的な感想。発せられるオーラが全然違うぜ。しかし、その印象は単にジャージのせいかもしれない。皇帝は、なんだか今から日曜大工するサラリーマンみたいだもん。フケ顔も一因かな。


KOSEN

 ジイさんのキャラが良いですね。主人公の言にもある通り、「話しの分かる」大人な感じがするし、閃と孝紀への距離の取り方も巧い感じがします。なれなれしくもなく、無駄に人生の先輩風吹かしてるわけでもなく、かといって、ちゃらんぽらんでもなく、若者を理解し、寛容で、かつ実力が備わっているような、そんな印象を受けます。巧く歳を取った感じ。登場人物の中ではこのジイさんが一番好感度高いです。あと、目元が凛々しくてカッコイイ。

 しかし、夏休みの一ヶ月を、同い年の可愛い女の子と一つ屋根の下で過ごせるなんて、中学生的にはそれだけで他はどうでもオーケーな気がするんですが、んなこたねえのかな。キックボクシングなんざ全く興味ないが、僕が中3ならその条件呑むぜ! 当時の僕が同じことを思えたかどうかは分からないけれど、今ならそう思うんだ。中学生の頃にそんな甘酸っぱい青春作りたかったんだ。


ワンピース

 あーあ、やっぱり長くなっちゃったなあ。モリアさまのシャドーズ・アスガルドには最終決戦のドキドキ感があったことは認めるけど、それよりもやっぱり、「終わった」と思ってからの延長戦二回の残念感の方が大きいです。

 麦わら海賊団も「個々の戦闘で重傷を負う」→「オーズ戦で重傷を負う」→「全体力を振り絞って復活オーズを倒す」→「さらに全体力を振り絞って復活モリアと戦う」と、おまえら何回復活する気だと言わざるを得ない。「どっちがゾンビかわかりゃしない」のギャグだけでは、ちょっとフォローしきれない感じかな、個人的には。

 ワンピキャラに死ねとは言わないから、せめて、オーズ戦でルフィとバトンタッチしたあたりで「もう動けません」状態になって欲しかったなあ。オーズ戦は「巨大な敵を数の力で倒す」というせっかくの燃えシチュエーションだったのに、「巨大な敵を数の力で倒した上に、数は全く損なわれなかった」という終着点は本当に残念です。


サイレン

 ジャンプっぽくない展開ながらも楽しくなってきましたよ。今回出てきた「スタート地点の人々」の個性がやや弱いことが懸念されますが、クリーチャーセンスも悪くないし、警報と共にゲーム開始というのも不安感をかきたててくれます。「ゲームクリアしないと現実世界に帰れない」ってのがG.I.っぽいとか、サイレンの演出効果がSIRENっぽいとかありますが、まあ、そこらへんは些細な問題かと。サイレン自体が面白くなればOKだと思います。

 以下、キャラ印象。

・メガネの人……謎解明を目的として来てはいるが、それなりに和を尊重しそうで、今後、グループの中核的人物になりそう? しかし、キューブのクエンティン(黒人の警察官)や、漂流教室の大友のように、主人公以外の「リーダーシップを発揮しそうなキャラ」は、後半、最大のライバルになりかねない。

・フーセンガムの高校生……クールな容貌とファッション。こんな訳の分からない世界に飛ばされたにも関わらず冷静沈着でカコイイ!(・∀・)だったのに、地元の不良を見ただけで冷や汗をかいて急に小物臭くなった。おまえ、地元の不良の方が怖いのかよ。

・デカくてナイフの人……死臭漂いまくり。すごく迷惑かけてから死にそう。家の中にいたら、いつの間にかこちらに来ちゃったらしいが、家の中でもナイフは肌身離さず持ち歩いていたのか?

・ビビってるデブ……ホラーモノに必ず一人いなければならない、「状況に対して過度にビビったり混乱する役」の人。本人に悪気がないだけに主人公たちも助けざるを得ず、きっと今後みんなの足を引っ張りまくるだろう。そして、結局、死ぬだろう。

・ドラゴン……腕っぷしは強くケンカっぱやい危険人物だが、目的がまともなので大きく崩れることはなさそう。ただし、タツオ次第か?(タツオが「オレの売り物のヤクを持ったまま消えた」とかならドラゴンの評価はまた変わる) しかし、主人公はすぐに目的の人物と会えたのに、タツオはいつ見つかることやらね。

・関西人……関西弁が悪いのか、人相が悪いのか。なんだかとても悪い方向に転びそうな印象を受けるけど、岩代先生には僕らの予想を裏切って、良識的な頼れる大人キャラとして変貌させて欲しい。というのが個人的希望。


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