ハンター
・王さまサイド
王さま後光が差してるよ!
コムギたんも生きてたみたいだし、ピトーも四の五の言わず治療に向かったし、最欝展開は回避できたみたいで何よりです。今回の流れも、普段ならピトーが「コムギの治療なんかより賊の方を……」とか言ってバコーンと王さまに殴られる展開ですが、有無を言わさぬ迫力でそこらのやり取りはスピーディーに省略。かつ、一皮剥けた王さまをアピールしてきました。これがOSRバトルなら勝負は見えたと思うほどに今週の王さまはカリスマでした。
しかし、ピトーに対し、「頼んだぞ」なんて言う辺り、王さまは本当に別人のようです。ピトーはコムギ護衛の任を授かってたわけで、任務失敗により殺されたっておかしくない流れだったわけですが、一切お咎めはなく、むしろ、「頼んだぞ」。こんな丁寧な王さま初めてだぜ。一体、王さまの心情にどんな変化があったんだぜ。
と、このように、今週でもはや別人のように変わってしまった王さまですが、これは会長&ゼノには、まだ戦う理由が残っているのでしょうか。今の王さまなら、なんだか対話できそうだよ! 今まで会長たちは、「あいつらとは対話も共存も不可能」という前提で、一方的武力制圧を計画してたわけですが、今週で何気に対話の可能性が見えてきました。
しかし、人類の脅威たるアリ討伐という意味では今回のミッションは最大のチャンス。「対話と共存」というわずかな可能性とこのチャンスを天秤にかけることはできず、ここは対話可能性を捨てて、あくまで戦うことになるのでしょうね。会長は結構割り切れる人だろうけど、それでもやり辛いだろうなー。念にも悪影響が出そうです。会長が負けるとしたら、この辺りの動揺が影響してくるのかも。
いや、でも、コムギたんの生還が確実視されるようになったら、「生き返ったけど、王さま死んでた(´・ω・`)」っていうのはコムギたん的にバッドエンドこの上ないので、その点を考えると和解エンドもあるかもなあ。いや、しかし、その気になれば世界征服とかできちゃう実力を持つ王さま御一行を世界が野放しにするだろうか。うーん、やっぱり討伐エンドかなあ。だめだ、全然わかんないや。
ところで、コムギたんの怪我の理由は、王さまがコムギたんを手にかけたとか、食べようとしたとか、軍儀で負けてコムギたんが自害を図ったとか色々予測されてましたが、特に説明もないことを考えると、素直にドラゴンダイブに被弾したということで良いのですかね。
・ユピーサイド
ナックルとメレオロン生きてたー! 飛び散った破片にモロに被弾してそうな感じでしたが、あれでも意外と大丈夫だったみたいです。逆に、なぜか喰らってたのがシュート。どうも彼が一番間近だったようで、確かに先週号を見返すとシュートはヤバそうな位置にいました。足を痛めてしまったようですが、彼の状況や能力で、今後何か活躍ができるのでしょうか……。どう考えても今のところ一番役に立ってないし、これからも役に立ちそうな気がしないぜ。
モラウさんの「後は任せたぞ」は死亡フラグかとも思いましたが、「囮になるからコンビネーションよろしくね」という意味でした。ユピーの凄まじい破壊力と底知れぬオーラを見せ付けられながら、あくまで自分も生きて勝ち抜くことを考える辺りは、さすがモラウさん。「いつでも勝つ気でいかなきゃダメなんよ」とキルアに説教しただけのことはあるぜ!
そんなモラウさんの必死の囮作戦で、ようやく二発目のハコワレが入ったわけですが、今回は手の内を明かし、武器を捨てての、ようやくの二発目。ハコワレ戦術もなんとかならないでもない感じですが、しかし、一発入れるたびにこれだけの策が必要とされるなんて、トバすまでには気の遠くなるようなやり取りが必要になりそうだなあ。やっぱりまだまだ勝てる気がしないぜ。
テニス
「天衣無縫の極み」とは、現在の「殺人テニス」から脱却し、「テニス」を捨て、「殺人」のみをもって「テニス」と為す新しいテニス地平の開拓ではないかと、先週半ば冗談で言っていたのですが、今週の修行風景を見る限り、
・人の尻に石を当てる
・石でイノシシを殺す
など、全く冗談とも言い切れない修行を行っていました。なんで、「ぶつける」とか、「殺す」とかばっかりなんだよ。
また、今週で、「天衣無縫の極み」のヒントは大分出てきましたが、一生懸命考えてもやっぱり良く分かりません。禅問答みたいです。
「真っ暗で見えない上に、ラケットは枝、ボールは石なのに、すごい威力で打てた」
「見ていない」
「目に見える外側に囚われているようではダメ」
「物事の本質を見抜け」
ここらへんが今週のヒント。でもなあ、ここから連想できる「天衣無縫の極み」って、「因果律決定」能力しかないんですよね。因果律決定能力であれば、「何も見えない」「ラケットは枝」「ボールは石」などという悪条件がいくら重なろうと、「イノシシにぶつけて一撃で殺す」という結果だけを直接に得ることで解決できます。「目に見える外側」とは、漫画の登場人物たちが見ている漫画内世界のことであり、「物事の本質を見抜く」とは「これが漫画であること」を見抜くという意味だと考えると、「これは漫画だから」という理由で過程を省略し、いきなり望む「結果」を得る事だってできるわけで、それをして「天衣無縫の極み」と言う……
……ってのは、あんまり考えたくないなあ。許斐先生はメタフィクションは持ち出さない気がするし。それに、これは浪漫ちゃんが近いことやってるしなー。
とりあえず、今回(おそらく)確定したのは、記憶喪失と天衣無縫の間に関連性はないということでしょうか。「危ねぇリョーマ!」って言ってるし、記憶喪失はたぶん修行中のトラブルなんですよね。滝から大木でも落ちてきて頭打ったのかな。
ナルト
この漫画は幻術がある程度有効なことと(でも決定打にならない)、偉い忍者はちゃんと敵に止めを刺すこと(ナルトとかは刺さない)は評価できるんですが、ペインが6人いたことをなんら楽しめないのは残念だなー。ペインが6人いたことに何も感興を覚えないんだ。6人いたからなんなのさー。
実力者同士の戦いのはずなのに、ペイン戦は僕の中で全く盛り上がっていません。せめて輪廻眼の謎解きが面白いといいんだけどー。
リボーン
今回のびっくりポイントは、未来では笹川兄とイーピンができてるという、その一点に尽きるでしょう。いいのです。僕は笹川兄が大好きだから、彼には幸せになってもらいたいのです。拳に塩を乗せて飛ばしていたことなんて僕はもう覚えていないのです。イーピンとも付き合っちゃえばいいじゃない。
あと、クローム髑髏の歯車いっぱいシーンを見た瞬間に、「あれ、これってディグレじゃないよね??」と思ってしまった辺り、なかなかディグレも侮れぬ漫画だと思いました。内容的には限りなく空気なディグレも、絵ではちゃんと印象を残しているんだなあ、と。
スケットダンス
ゲームには「楽しみ方のコツ」のようなものがあり、それを理解すれば最初はつまらなかったゲームも遊べるようになるものですが(楽しみようのないゲームも勿論ある)、スイッチの「楽しみ方を推し量る」才能が、クソゲープレイを通して培ったスキルというのはなかなか説得力のある話。
確かに、「何が面白いのか良く分からんゲーム」をたくさんプレイして、「楽しみ方のコツ」をたくさん見出せば、スイッチの如く、ジェネシスにも楽しみ方を見出せるのかもしれませんね。僕は「物事は楽しめる人の方がえらい」と常々思っているので、ここのスイッチはちょっとかっこよかったぜ。
ただ、最終的に何か「楽しみ」を見出せるゲームは、それは「玄人向けゲーム」であって「クソゲー」ではないと思うんだ。「楽しみ方の分かり辛いゲーム」をクソゲー扱いにしちゃうのは軟弱ゲーマーにも程があると思うんだ。
あと、どうでもいい話だけど、個人的には「ギアーズ・オブ・ウォー」の楽しみ方を見出す必要性に迫られています。買って少しプレイしたけど、何が面白いのか良く分からないんだ。
トリコ
・トリコが普通にカッコイイ
・強さ描写が丁寧
・危険度のランク分けが冒険心をくすぐる
・IGOやグルメ税などの特殊な設定が物語中でスマートに説明されている
・さらにそれら世界観の問題点にも触れ(スラムは恩恵に授かれない等)、主人公の行動を通して解決している
といった感じで、ケチのつけようのない良くできた少年漫画だったと思います。あえて言うならば、ハンターハンターの美食ハンターとの類似性を欠点として挙げられますが、まあ、そんなことは瑣末な事。IGOやらグルメバブルやらグルメ税などの説明を要する設定を、会話中の必要最低限の情報だけでスマートに乗り切った辺りが見事で、ベテランの技量をガツンと感じる読切でした。あとね、主人公のトリコが普通にカッコイイことを高く評価したい。ストレートに強くてカッコ良くて好感が持てるってスゴイことだね。島袋先生、漫画うめえなあ。