【9/15】2007年42号のジャンプ感想(テニスのみ)


 取り急ぎ、テニスのみ感想。
 

テニス

・カラー表紙

 大石先輩が「ウォーリーをさがせ」並みの扱いの悪さなのが面白かったです。同様に扱い悪めの乾・海堂先輩は、それでもまだ特徴(メガネ・バンダナ)がちゃんと描かれているのに対し、大石先輩だけ顔の一部だよ! せめてあの特徴的な髪型を描いてあげればいいのに……。


・「あ、悪魔だぁ――っ!!」

 赤也少年がデビル化することなんて分かりきってたことなのに、それでも大爆笑。ここのインパクトはすごかった……!

 これ、何がすごいって、この2ページに関しては完全にホラー漫画文法で描かれてるんですよね。テニス要素がまるでないのです。まるで、路地裏で血肉をすする悪魔を、通りがかりの中学生男女がたまたま目撃したかのような、そんな光景なのです。口からしたたる血が、本当は海堂先輩に負わされた手傷であるにも関わらず、血肉をすすってるようにしか見えないのも高ポイント。


・越前「な、何ですか、あの人!?」

 そして、記憶喪失中の越前少年は極めて常識的な反応を見せます。ここで「記憶を失っている越前少年が」驚いたということは、これは言い換えれば、「記憶を失っていなければ決して驚かなかった」ということです。青春学園における準越前ポジション(=天才)である不二先輩などが、「彼はどこまで進化するんだ…」と、なにか間違った方向で驚いていることからもそれは明らかです。

 全身が真っ赤に変じた人間を見て、一般人は恐怖に震えるだけですが、テニスを数年やっていれば、「なんというテニス上の進化だ」と受け止めてしまうのです。テニスを2~3年しているだけで、一般人と彼らとではこれほどまでに隔たりができてしまうのですね。


・切原「残念だなマムシ、テメーは狙ってやらねーっ!!」

 デビル化した赤也少年は乾先輩に狙いを絞りました。次の2ページではボールが一切出てこないので、ラケットで二発殴った後にトドメにサンダガを放っているようにしか見えません。海堂も「汚ねぇーぞ切原! 挑発したのは俺だろ、俺を狙え!!」と、よく分からない怒り方をしています。よく分かりませんが、とにかくテニスの話をしていないことは明らかです。

 思うに、ここで「よく分からない」感じがしたのは、赤也少年がデビル化することにより、テニスが「テニスボールを使って相手を殺す格闘技」へと変質したからなんですね。劇中では何の言及もされていませんが、その本質は「ポイントの取り合い」から、「命の奪い合い」に確実に変化していたのです。

「挑発した相手にリターンしない」というのは、本来のテニス(「ポイントの取り合い」)では卑怯でも何でもなく、海堂先輩に怒られる筋合いなどありません。しかし、「命の奪い合い」へと変質した今のテニスにおいては、「挑発した相手と命の奪い合いをしない」というのは卑怯な行為なのです。こう例えれば分かりやすいでしょうか。野球という「ゲーム」において、打者との直接対決を避け、敬遠をすることは卑怯ではありません。しかし、ヤクザ同士の「殺し合い」においては、ケンカを売ってきた相手ではなく、その友人を殺すことは卑怯な振る舞いなのです。デビル化前後において、テニスにはこれだけの本質的変化があったのです。

 しかし、今回の海堂対策(海堂にボールをリターンしない)は、別に赤也がデビル化してなくても使えたような気がしてなりませんが……。


・海堂デビル化

 そもそも「ビデル化」という現象が何を意味しているのかすら読者は分からないのに、海堂までノリでデビル化しちゃいました。今回の周りの様子では、デビル化はあまり良くないことのように扱われてますが、試合結果だけを見るならば、デビル化はテニスの試合自体にとっては有効なはずです。

 ではなぜ、ここでスミレちゃんがデビル化を止めようとし、一年生たちが「いつもの海堂先輩に戻ったよー」と歓喜したのか? これまでの数少ない情報から推測すると、やはり、「デビル化すると殺人テニスしかしなくなる」という結論に落ちつきます。一応彼らの世界でも「できるだけ殺人テニスは避けるべき」という概念はあったのですね。

 しかし、スミレちゃんは海堂に対し、「自分を見失うな」と言ってますが、元々、海堂先輩は越前少年と並び青学屈指の殺人テニス使いです。以前はブチャにラケットで殴りかかったし、そもそも今回だって、殺人テニスを仕掛けたのは海堂先輩の方からでした。自分を見失ったというか、海堂先輩の本来のパーソナリティが発揮されてのデビル化だった気もします。

 ところで、一発イイのを貰って、さらに「ワカメ野郎」と侮辱されなければデビル化できない赤也少年と比べて、海堂先輩は一撃のダメージも受けることなく、仲間が傷付けられただけでデビル化できたわけなんですが、この事をもってして、「海堂先輩のテニスポテンシャルは赤也少年より上」と断じてしまって良いのでしょうか。「デビル化しやすいからテニスの技量が上」とか、我ながら何を言ってるのか良く分かりませんが、しかし、そう考えるしかない気がするのです。


・乾先輩死亡

 そして、今週のクライマックス。走馬灯を走らせ、死亡フラグを立て、しっかり仕事(デビル化を防ぐ)もこなしてから、乾先輩死亡です。
 
 
 ……まあ、死んでないと思いますけどね。
 
 
 ていうかですね、今回のラストのカラクリは、僕、結構見通せていると思います。自信、ありますよ。

 軽く説明しますと、今回、乾先輩は「データは取れた」「さあ、反撃だ」と言ってから倒れました。では、これらの言葉は一体何を意味するのか? 答えは簡単。乾先輩の死は「死んだフリ」に他ならないのです。

 まず、乾先輩はデータを取ることにより、「赤也はオレばっかり狙ってきやがる」ことを発見します。さらに、過去のデータと、現に今ふっとばされてることから、「オレでは赤也の打球は取れない」「海堂のお荷物だ」と判断します。ここまでデータは揃いました。じゃあ、海堂先輩はどうするか? そこで出た結論が……

「あ、オレ、いなければいいんじゃん」

 つまり、手塚vs千歳戦と同じです。邪魔な乾先輩はコートから立ち去れば良いのです。彼がコートから去れば、赤也少年とて流石に海堂先輩を狙わざるを得ません。そこで、彼は「(よし、オレは死んだフリしてコートを去るから、後はお前一人で存分にやれ。)さあ、反撃だ」と言って、倒れたのです。

 ただし、乾先輩の唯一の誤算は、今のデビル赤也なら、コート外で倒れている選手にさえスマッシュをぶつけにいく可能性があることです。乾先輩は自分がコートから去ることで、赤也少年の狙いを海堂先輩一人に絞ったつもりでいましたが、実は海堂先輩にとっては「乾先輩を守るか」「自分の身を守るか」の二択になってしまうかもしれないのです。思い返してみれば、比嘉中戦でも仲間を守るため、明らかにアウトの打球も取らざるを得ませんでした。今回もそれと同じ事態に陥るやもしれないのです。流石のデビルといえど、そこまでのことはしないとも思いますが、相手はいかんせんデビルなので、何をしてくるか分かりません。


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