フタゴ・フラクタのリンドウさんが、いずみのさんのアイデアを受けて、古典テニス学的見地から手塚ファントムの謎を解き明かしています。
「古典テニス学的見地による手塚ゾーン・ファントム解明」（フタゴ・フラクタ）
また、それについて、いずみのさんが一点Ｑ＆Ａを設けています。
解明・手塚ファントム／理論構築において膨大なＦ＆Ｑと註釈は付き物
こんな感じで、いずみのさん的には色々なケースの疑問に対し、既に答えは出ているようです。（くるくるぱたぱたさんのベースラインに関する問題にも答えは用意されているようです。いずれ表サイトでも明らかにされるでしょう）
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というわけで、おそらく何らかの答えが用意されているであろうポイントにツッコミを入れるのも野暮なんですが、僕が感じた疑問点を野暮にもつっこんでおきましょうか。
>> ではここで、コーナーに打った球を未完成の手塚ファントム（以下、弱ファントムと呼称）でアウトにされた場合、手塚の対戦相手はどのような反応をするか？ ということを考えてみましょう。コーナー狙いの自分の打球が不可思議な変化によって強引にアウトにされてしまった、さあどうする！ 唖然とする。まあそれはそうだ。しかしすぐに、センターに打つ、という対策を思いつき、試してみることでしょう。ご存知の通り、これまでの手塚にはセンターの打球を「4.2 メートル動かして」アウトにすることはできませんでした。手塚は弱ファントムを使わず返し、相手は愚直にセンター狙いをくり返す。つまり、弱ファントムによる強制アウトは、一回きりしか使えない奇襲技であることがわかります。（フタゴ・フラクタより）
リンドウ・いずみの仮説の骨子は、「手塚は真正面に返されるのが苦手」「コーナーを突いた球を弱ファントムでアウトにしたら、それからは相手が真正面に返してくるじゃないか（真正面は苦手じゃないか）」というものです。
しかし、ごく単純な疑問なのですが、「コーナーぎりぎりを狙った球がアウトになる」「ベースラインを狙った球がアウトになる」といった状況を、相手は「手塚に操作された」と考えるのでしょうか？ むしろ、「自分のミスでアウトになった」と考えないでしょうか？ コーナーぎりぎりの厳しいところを突いているのですから、緊張やら体調やら汗で手が滑ったやらでアウトになってしまうのは当然考えられることです。弱ファントムでアウトにされたからといって、「やべえ、あいつ、コーナーギリギリを狙ったらアウトにしやがるぞ。今度からはずっとセンターを狙おう」とは思わない気がするのです。
相手が操られていることに気付かないのであれば、それからもフツーにプレイをして、フツーにコーナーを狙ってくるんじゃないでしょうか？ そして、全てアウトにされて、「オレ、今日ホンッッット調子悪いよッ！」とか言いながら帰っていくのではないでしょうか。もちろん、相手が「オレ、今日調子悪いから、ここは確実に手塚の真正面に返そう」と思うこともあるかもしれません。しかし、そう思わず、コーナー狙いを繰り返すかもしれません。
>> 「時には引き寄せ、時には弾く」といったゾーン・ファントム併用状態では、対戦相手が混乱し、逆に先読みが難しくなる。「どんな球でも引き寄せる」ゾーンのみの状態の方が、相手はムキになってコーナー攻めをくり返し、先読みも容易なものになる。そのような事情もあるのかもしれません。（フタゴ・フラクタより）
リンドウ/いずみの説は、「常時ゾーン状態であれば相手がムキになってコーナーしか攻めない」という仮説に基づくものです。しかし、これは「常時弱ファントム状態であっても、相手は気付かずコーナーを狙い続ける」という仮説と、あまり大差がない気がするのです。
しかし、この問題点は、新古典テニス学派の諸問題に比べれば、確かに軽微なものといえるでしょう。僕の「竜巻によって弾いたり引き寄せたりしてる」説も、いずみのさんから「それなら手塚はラケットを使わなくても、相手のサーブを直接アウトにできるはず」という問題点が提出されています。僕の説の問題点よりは軽微な問題であることは認めざるを得ません。
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一方、乱文乱舞ランブルの靖斗ＨＢさんは、手塚ゾーン/ファントムの正体は「回転によって生まれる磁力ではないか」と新古典的な考察をしています。靖斗ＨＢさんのアイデアであれば、僕の説で不十分だった「ラケットの不要性」なども解決できるため、かなり矛盾のないアイデアではないかと思っています。ただ、靖斗ＨＢさん自身は、自説よりもリンドウ/いずみの説の方を有力視しているようです。
