【7/9】2007年32号のジャンプ感想(1)


 先日、ゴルゴさんの企画でマルコさんと熱くテニストークをしていたのですが、その際に「手塚は凄まじく強い」という事実に改めて気が付きました。

 手塚の強さは「手塚ゾーン」「百錬自得」「才気煥発」という、単体でも全国トップレベルの技をなんと3つも習得していることにあります。しかし、さらに恐ろしい事実は、真田皇帝がしたように、この3つを研究し、努力によって攻略したとしても、そこまでしてようやく、

「先に手塚の腕が壊れることを祈る」

 という段階に達せるに過ぎないのです。手塚を倒すには、最大限の努力が要求され、さらに、そこまで努力して、なお最後は運任せ(手塚任せ)になってしまう。RPGで言えばボスの全技を研究して対抗策を用意しても、それでもボスに勝てる確率はボス次第という状況。あまりに理不尽な強さです。真田皇帝はこんな敵と戦っていたのか……!


ベルモンド

「拷問」という扱い辛いテーマを中心に据えたチャレンジスピリッツは見事ながらも、結局は「拷問」をイージーに処理してしまった感が拭えず残念です。あれは拷問っていうか、読心術だよね。気絶する瞬間に呪文を唱えて瞳を見ればいいだけなら、あんな回りくどいことしなくても、いきなり殴れば良いんじゃないかと思わずにいられません。スパスパ斬ったり、一歩歩かせたりすることに何の意味があったのか、どうにも納得できかねます。拷問を少年誌で描くことが難しいのは分かるけど、ならばそのテーマ設定からして、ちょっと厳しかったんじゃないかなあ。

 でも、それ以外のアレコレは悪くないレベルだったと思います。主人公が地下室から出る気がないあたりとか特に。でも、最後のコマで「彼が望むと望まないとに関わらず」と言ってることからも、地下室から出るのは時間の問題になりそう。それから、主人公が変な剣術を使う設定からして、どう考えてもバトル展開になりそうなので、バトルになった時点でこの漫画の面白味はなくなりそうな気がしています。「今思えば第一話の拷問もどきが一番拷問らしかった」みたいなことを、3ヵ月後に言っているかもしれません。


ワンピース

「あいつがいなかったら、たったあれだけで一味全滅もあり得た」と、ウソップに無力化されてなおネガティブホロウへの評価が減じてない辺りが良かったです。ギャグで攻略されたネガティブホロウだけれど、読者の「この能力って最強じゃね?」っていう思いを、尾田先生がちゃんとフォローしてくれてるのが嬉しいのです。ギャグで破られたとはいえ、主人公たちがこれほど評価してくれたなら、ネガティブホロウ厨としては満足なのです。

 そして、オーズに殲滅された将軍ゾンビのみなさん。今回のシリーズを長引かせる最大原因と目されていた将軍ゾンビが、(復活するかもしれないけど)とりあえずこの一撃で全滅です。すごく嬉しい。また、今回のシリーズは敵組織が自分の組織の壊滅に危機意識を持っている珍しい展開で、「なんでオーズが将軍ゾンビ殲滅するん?」といった感じのアブサロムさんがすごく良かったです。しかも、困り果ててる時に空気の読めないサンジがやってきて、最後のコマのアブサロムさんは迷惑この上なさそう。「ちょ、いっぺんにそんな問題山積みされても困るwwww」みたいな。

 今回のワンピースもかなり楽しめました。主人公たちの奮闘ではなく、敵組織の自壊によって両者のパワーバランスが変動し、敵幹部がそのことにちゃんと困ってるのが良いのかもしれません。個人的には、主人公が頑張れば何事もなせるような展開はあまり好きではなくて、主人公の奮闘+あれやこれやが絡み合って結果がでるような展開の方が好きです。


ナルト

 惜しい。残念。実にもったいない。サスケのグーパンまではとっても良かったんですが、ラスト6Pの解説ラッシュでゲンナリ。岸本先生の「描くだけ描いて、後でまとめて解説癖」はいい加減に直して欲しいなぁ。囲碁や将棋の感想戦みたいです。デイダラさんとサスケが「ここが悪手でしたね」「この発想はここから生まれたんですよ」とか、お互いの戦術を呑気に検討しあってるので、せっかくの変な演出で決めたサスケのグーパンがちっとも強そうに思えません。もったいないよう。

 最後のサスケもなんだか偉そうにスゴんでますが、自分に千鳥を当てて全身にダメージを受け、さらに、ほとんどのチャクラも消費してるはずなんだから、そんなの無傷で観戦してるトビに襲われて終了じゃないですか。暁はそのための二人一組なんだし。つまり、単独行動してるサスケは、たとえデイダラさんを上回っても、連戦できない状態にされた以上、実質的には負けたも同然なのでイバってる場合じゃないんですよ。


 ***

 今回のナルトは感想戦のもったいなさに尽きる感があります。せめて、キルアvsオロソ兄妹みたいに、相手の首を刎ねて、完全に決着がついた状態から感想戦すれば良かったんですが。デイダラさんがまだまだ元気そうなのも、戦闘の緊張感を著しく削いでいます。いっそのこと、あのグーパンで死んじゃっても良かったと思うんだけどなー。デイダラさんの何気ない一言から攻略の糸口を掴んだサスケみたいに、今回のサスケの自己解説からトビがサスケ攻略を閃いて、それを反省してナルト世界から感想戦がなくなればいい。


To Loveる

 ジャンプのエロの代名詞がTo Loveるだとすれば、To Loveるのエロの代名詞は天条院さん。そう言っても過言ではない程のエロ供給クイーンだった天条院さんが、あろうことか、前回の幽霊シナリオで脱がなかった……! その穴埋めでしょうか。冒頭の、何の意味もない彼女のシャワーシーンは。

 今回、ザスティン様に恋をした天条院さんですが、このエピソードで天条院さんに対する僕の好感度はまたしても上昇。人を見かけで判断しない女の子って素晴らしい! これほど好感の持てる「タカビーなお嬢様キャラ」って他になかなかいないですよ。それに天条院さんって、客観的に考えても何らマイナスポイントが見出せないんですよね。とてもお友達になりたい(付き合いたいとは思わない)。


サムライうさぎ

・「てか、竹刀八本は反則じゃねェか!?」

 反則うんぬんを言うならば、鍬型をした竹刀モドキの方がよっぽど反則だと思うのですが。八本はともかく、二刀流までは現代剣道でも認められてますし、比較してどちらがより反則かと言えば、それは鍬ではないかと。まあでも、現代の剣道とは訳が違うわけだし、実用性があれば鍬を使おうが八刀流だろうが構わない気もしますが。


・「"先鋒、本間良成"。"必ずや五人抜きするであろう"」

 うん。仮に、良成くんがヤマネコ五人抜きを果たしたとしましょう。しかし、それで、うさぎ道場の勝ちと言えるのでしょうか。伍助について学んだことが一度もない良成に五人抜きされたのでは、うさぎ道場の名誉を高めることにはならない気もします。「**予備校に通う予備校生の兄弟は、東大進学率100%です」みたいな話だよね。

 しかし、かといってマロが残りのヤマネコ道場を倒したとしても、道場主の伍助があっけなく破れ、千代吉もマロも別に伍助から何かを学んだわけでもないという状況では、どっちにしろうさぎ道場の勝ちとは言えないかもしれません。とりあえず、伍助は門弟に技術を教えるところから始めるべきだと思います。根底から間違っている。
 
 


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