ネギまを読んでいて面白いと思ったけど、これはしっかり説明しないときっと共感してもらえないので念入りに説明してみたけど、それでもきっと共感してもらえなさそうなテキスト。
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何が言いたいかというとですね。これは非常に微妙な感覚だと思うんですが、軍勢の中における強力な個体の単体戦闘能力を制限したいという話なんですよ。例えば、ヘックス制シミュレーションゲームなどで、個体の戦闘能力だけで戦況を左右しうるほどの強力な単体ユニットというのは、プレイヤーとして遊んでてどうかなあと思うのです。
敵がA、B、Cと3つの軍勢を繰り出してきた時に、こちらの強力な単体ユニットαが、ABCの3つ全てを倒すというのはつまらないということです。強力な単体ユニットというのは、あくまでプラスアルファや押さえとして機能して欲しいのです。敵のA、B、Cという3つの軍勢に関しては、こちらもD、E、Fという3つの軍勢を持って当たりたいわけです。そこに例えば、D+αのような形で強力な単体ユニットがDに加わると、Dの勝利する確率が高まるか、もしくはDの被害が軽減される、と。「強力な単体ユニット」の影響力はその程度に抑えたいと、僕は常々思ったりしてるわけです。
三国志大戦などは、軍勢を「大きな流れ」として捉え、相手の軍勢にぶつけた後は、互いの軍勢の消耗戦となるRTS(リアルタイムストラテジー)ですが、そこで僕が挙げたいのがRTSの名作「Warcraft III」です。このゲームには「ヒーローユニット」という、通常ユニットに比べ性能が高く、特殊な攻撃を持つユニットが登場します。しかし、そのヒーローユニットといえど、敵軍勢を相手に単体で対抗できるわけではありません。あくまで自軍の軍勢に加わり、自軍を「強化」するといった役回りになるわけです。お互いの軍勢をぶつけた時、ヒーローユニットがいる軍勢は何割増しかの戦力で戦えるという、そういうニュアンスです。(※)
と、ここでネギまの話になるのですが、学園祭三日目の「火星ロボット軍団 vs 学園防衛魔法騎士団」は、まさにWarcraftのニュアンスであったと。主人公格であるメインキャラクターだけでは火星ロボ軍団2500体の物量を防げないので、一般生徒たちを武装させて、物量に物量を持って立ち向かうわけです。その際、6箇所の拠点を防衛するために、主人公格のキャラクターたちは6箇所の防衛戦線に分散し、「ヒーローユニット」として各軍勢の防衛戦に参加します。ここで彼らヒーローユニット(主人公格)は、あくまで「軍勢の強化」といった役割に留まります。「火星ロボット軍団」の軍勢と「一般生徒」の軍勢がぶつかって消耗戦を行い、ヒーローユニットは自軍勢の+αとして戦力の増強に努めるのです。確かに彼らは一般生徒に比べ圧倒的な火力を持つ「ヒーロー」ですが、しかし、それでも彼らの火力は、この戦線を個体で維持できる程のものではなく、あくまで一般生徒による防衛戦線がこの戦闘のメインなのです。
で、結局だからなんだという話なんですが、ネギまのこの戦闘は「Warcraft III」のようなニュアンスを出せていると、そう思うのです。ゲームが他メディアで表現される時に、そのゲームのキャラクターやアイテムだけ流用するのは簡単だけど、システム的なニュアンスの表現って難しいと思うんですよね。まあ、だから、個人的にそういうところがアツかったと、そういう個人的な話なんです。言葉で言っても伝わる気がしないなァ。
※魔界学園で「強力な戦闘力を持つ転校生といえど、護衛団の後ろ盾がなければ生きていけない」というのは、こういう意味ではないかと思うのだけど、いかんせん転校生は護衛団など不要なくらい強いから説得力がない。