いやはや、この漫画は本当にスゴイです。バトル描写が面白い漫画って、ホントあんまりないと思うんですよね。ジャンプを見ても、ワンピースは論外として、ナルト、ブリーチもたいしたレベルではありませんし、ハンターでさえ「戦闘を描かない」ことでなんとかクリアーしてる問題です。いまジャンプでバトル描写が面白いのってテニスだけだと思うんですよね。
で、そんな前置きで何が言いたいかといいますと、このシグルイという漫画は本当にバトルが面白い! 紙幅のほとんどをバトル描写に費やしてるんですが、それでいて全く退屈しません。彼らは基本的に真剣で渡り合うのですが、ほとんどの戦いが一太刀で決まります。るろうに剣心などは何度斬られても立ち上がってましたが、シグルイはどんな強者でもちゃんと一撃で死にます。たとえば、志々雄真実が剣心の初太刀でサクッと死んだら、読者は「ありゃ、ずいぶん呆気ないな」と思うでしょうが、シグルイではそんなことはないのです。一太刀で死んでも強いやつは強い。これだけ短くまとめて、かつ、そのキャラの株を下げないのです。
また、戦闘シーンの「踊るような描写」も見所。彼らは真剣で斬りあってるんですが、お互い剣を交えず(真剣はたやすく折れるからだそうです)ムチャな姿勢でかわしながら、ムチャな姿勢で打ち込むのです。すると、二人のムチャな姿勢が重なって、まるで踊りを踊ってるかのようなシーンが出てきます。これが笑えます。まるでシュールギャグです。ここらへんはテニスに通じる物があります。
(↑シグルイのイメージ)
そんなシグルイが特に面白くなるのが4巻以降。主人公の所属する流派、虎眼流ってのがヤバくて怖くてカッコ良くて、例えるなら旅団みたいな人たちなんですが、そこの高弟(全員超強い)が何者かに少しずつ暗殺されていく展開がすごく面白いです。「高弟の強さをアピール→でも殺られる」の繰り返しなんですが、高弟たちのキャラの立ち具合がすごいので、かませ犬なのに毎回ドラマを感じてしまいます。特に印象に残るのが山崎九郎右衛門で、彼のちゅぱちゅぱは物凄いインパクトでした。で、死んだ高弟たちが回想シーンでちょろちょろ出てくるのが何だかやけに嬉しいんですよね。この漫画は、キャラを立ててはスグ殺すんですけど、高弟たちはまだ活躍を見てみたい気になるのです。彼らはもっともっと掘り下げて欲しい! 特に山崎九郎右衛門。
シグルイは表紙がすごくアレなので、
(↑3巻とか特にアレ)
表紙を見た時点で、なかなか読む気がしないかもしれませんが、頑張って4巻くらいまで読んでみて下さい。1コマ1コマを楽しめるという意味では、JOJOに通じるものもあると思います。コマごとに笑えるもんなあ。