メイド喫茶、執事喫茶、ツンデレ喫茶に続く、第四弾。それが「へそまがりもんじゃ」だ!
テニス映画を見た帰りに、ヘキサ嬢と一緒に亀有の「へそまがり」というもんじゃ屋へ行ったのですが、これがなんとも凄かったのです。
店内の張り紙に「お好み焼き、もんじゃの作り方説明ご希望の方は係までお申しつけください」とあるので、素人である僕達は早速オヤジに説明を求めます。仕事ですから、当然快く説明してくれるかと思ったら、このオヤジ、ものすごく面倒くさそうです。まずその時点で面食らったんですが……
親爺「お兄さん、いつもはどこの店で食ってんの?」
僕「いや、僕、一回しかもんじゃ食ったことなくって。全然分からないんですよ」
親爺「ああ、そりゃあダメだよ。参ったなあ」
いきなりダメ出しをされてしまいました。 「もんじゃを食ったことがない」というだけで、いきなりダメ呼ばわりです。分からないから説明を求めたら「お前はダメだ」と言われるなんて、ビックリですよ。
さらに、このオヤジ。僕は作り方の説明を聞いただけなのに、「ホントはね、もんじゃは自分で作るもんなんだよ。これは自分で作るの込みの値段なんだからね。だから、作れって言われたらオレは絶対に作らないよ。ただ、説明してくれって言われたから、作ろうって気になるんだけどね」と、もんじゃを作り始めます。僕は説明を求めただけで、作ってくれなんて一言も言ってないのに作り出したのです。しかも、作ってくれというと作ってくれないらしいのです。接客業とは思えないものすごいへそまがりです。看板に偽りありません!
そして、僕達が素人であると分かり、他のお客さんも「オヤジさん、お兄さんたちにもんじゃの取り方も教えてやった方がいいんじゃないの」などと言ってきます。しかし、オヤジはこれを一蹴。
「取り方なんてないよ! こんなもの好きに食べればいいんだよ!」
なるほど、作る時には作法が必要でも、食べる時は結構自由なんだな、と思い僕らは気軽に食べ始めます。すると、すぐにオヤジがやってきて
「ダメだよ! お兄さん、そんな取り方じゃあ!」
さっき自由でいいって言ったじゃん! このオヤジ、ものすごいへそまがりです。この辺りで僕は大分楽しくなってきましたよ。
その次にお好み焼きを頼むと、「あんまり混ぜちゃダメだからね」と言うので、僕が慎重に少しずつ混ぜていると、
「ダメだよ! 全然絡まってないよ!」
と、グイグイかき混ぜ始めます。どっちだよ!
そして、最初は説明することすら嫌がっていたのに、僕達が注文するごとに付きっ切りでクッキング。(もやしと豚肉くらい自分で作れるよ!)そして、僕が何かするごとにケチを付けてきます。もう、面白くって仕方なかったです。だって、ごはん食べてるだけなのに、なぜか怒られてるみたいなんだもん。
で、後々になって考えてみると、これは昨今流行の「メイド喫茶」や「ツンデレ喫茶」などと同じジャンルで「へそまがりもんじゃ」なんだと思いました。あれはきっと演出です。メイドや執事の代わりに、「下町の頑固オヤジ」が出迎えてくれるサービスなんですよ。そうに違いない。とりあえず、今度はサイクロプスメンバーで行ってみたいと思いました。