極めてお馬鹿なゾンビ映画。ラットモンキーに噛まれてゾンビになったママを、マザコン主人公が埋めたり隠したり、鼻の穴からトランキライザー注射したりするけど、ゾンビはどんどん増えていって……
この映画の見所は、無駄に好戦的で無駄に強すぎる登場人物たち。普通、ホラー映画というものは「怪物と逃げ回る一般人」がセットと相場が決まっています。しかし、この映画にセオリーは通じません。例えば、中盤でゾンビに襲われる主人公を神父が助けに入ります。セオリーでは神への祈りも空しく聖職者は怪物に殺されてしまう場面です。しかし、ブレインデッドの神父は祈りません。「おのれ怪物め!私の蹴りを受けてみろ!」と言い放ち、ゾンビにジークンドーで立ち向かうのです。
他にも、この映画には嫌われ役として主人公の叔父が出てきます。彼は事態を混乱に導くキャラクターで、こういう人物は大体パニックシーンでむごたらしく殺されるものと相場が決まっています。しかし、ブレインデッドでは、やはりセオリーは通じません。ゾンビの群れに追い詰められ、逃げ場もなくなった叔父。彼は手に持った枝切り鋏で逆にゾンビに立ち向かいます。あっという間にゾンビを殲滅する叔父。さらに、逃げるゾンビを追って、ゾンビで溢れた大広間へ特攻。ここで初めて調子に乗リ過ぎた自分を後悔するのか……と思わせて、ゾンビで溢れる大広間をも簡単に突破するではありませんか!なんなんだこいつら!
一方、主人公とヒロインのペアも見事なゾンビ大虐殺を見せます。主人公は芝刈り機を使い、片っ端からゾンビを挽肉に。一方、ヒロインはゾンビの肉片を黙々とミキサーにかけて潰していきます。強い、強すぎるよこのカップル。
ギャグとユーモアに溢れたゾンビ映画「ブレインデッド」。大量の血しぶきとグロ映像に耐えれるなら間違いナシの名作です。