シグルイの原作になった小説です。全11番の御前試合と、その締めのお話が描かれてます。
現在、シグルイで延々と描かれている藤木vs伊良子は小説ではわずか30ページ強。山口先生、加筆しすぎ。ぬふぅ兄弟も出てこないし、山崎九郎右衛門のちゅぱちゅぱもありません。虎眼先生も曖昧じゃないよ。
そういうわけで、原作とシグルイは全然違うものなので、(勝敗は分かっちゃうけど)先に原作読んじゃっても問題ないと思います。むしろ「あれがこうなるのか!」と山口先生のイマジネーションを楽しめるかも。特に第二編「被虐の秘太刀」がシグルイでどんなことになるのか今から恐ろしいです。題材からして「人妻vsマゾ剣士」なんで、山口先生、絶対やりたい放題だよ。
ちなみにこの小説、ホントどいつもこいつも女絡みで死闘を始めます。理由はほぼ女。お前ら女の他に命を賭ける理由はないのか? 全ての総括となる最終章もやはり女絡み。で、この最終章が、それまでの試合のクロスオーバー的な位置づけになってて、すごく面白いです。「第一試合勝者の彼」も大活躍(?)なので、この先何年掛かるか分からないけど、山口先生には何とか最後まで描いてもらいたいものです。本文ではわずか1、2行で語られる乱入者「車大膳」も山口先生ならガッチリ描いてくれるはず。ちなみに、こちらのサイトさんによると、車大膳とは同じく南条範夫先生の小説「武魂絵巻」に登場するキャラクターのようです。こんなところでもクロスオーバーなんですね。武魂絵巻も読んでみたいな。