愚裏威怒様から「大爆笑ビデオがある」と言われ、サイクロプスメンバーみんなで見てみました。世間一般では「ホラー映画」と呼ばれている田村選手の結婚式映像ですが、僕が受けた感じでは「怪獣映画」でした。
まず、この結婚式。とにかく悪趣味です。田村亮子選手が考案した、ドレス、ケーキ、指輪、どれもこれもがサイケデリックで、まるで不思議の国のアリスか、デビッド・クローネンバーグの世界に迷いこんだようです。そして、式には各界著名人が集められていたのですが、この異質空間には誰もが戸惑い、怯えたウサギのように困惑するばかりです。田村亮子選手は、この超常怪奇な領域(テリトリー)の中心にて、毒気に当てられ沈静する有名人たちを支配する、一種の「モンスター」として君臨していたのです。なお、この毒気の影響を一番受けているのは他ならぬ夫の谷選手であり、あまりの異常事態にどうすれば良いのかも分からず、ただ、田村選手の横で死人のような顔で佇むばかりです。谷選手のような一流スポーツ選手でさえ、このモンスターの前では全くの無力であり、同じように長島茂雄などの大物も田村テリトリーの中で撃沈していきました。長島茂雄なんて、これもまた一人のモンスターなのに、二十歳そこそこの小娘の前に完全に食われていたのです。恐るべし、田村亮子。なんというモンスターでしょうか。
ところで、僕もバンドでボーカルなどをしているのですが、歌っているとたまに「この空間はいまオレが制圧した!」などと感じる瞬間があります。その空間の雰囲気を自分の一挙一動が作り出している、そのような感覚を感じるときがあるのです。いわば「オレのテリトリー」を作り出しているわけです。おそらく、お笑いや演劇をやっている人にも経験あると思いますが、とにかくそういう感覚があることをご理解下さい。そして、便宜上ここでは、その感覚を「オーラ」と呼ばせていただきます。
話を戻しましょう。田村亮子選手は、これだけの会場、これだけの人数を集めた空間で、まさに「オーラを充満させて」いたのでした。小劇場やライブハウスでオーラを発するのとは比べ物になりません。これだけのオーラを発するなど、二十歳そこそこのイチ柔道選手に決してできる技ではないはずです。同じく一流野球選手である谷選手が完全に打ちのめされていることからもそれは明かです。では、なぜ彼女にはそれができるのか? そう、彼女を支えているのは「自分はヤワラちゃんである。自分は国の宝である」という圧倒的な自負心なのです。田村亮子、やはり恐るべき怪物です。
田村亮子に完全に制圧された結婚式会場。誰もが彼女に刃向かうことなどできないと思われました。しかし、そこに一人の勇者が立ち上がったのです。演歌界の雄、北島三郎こと、さぶちゃんです。流石は百戦錬磨のさぶちゃん。彼は地獄のような田村亮子空間の中で、自分の歌を歌うという大技を企てます。周りに自分の仲間を集め、彼らを躍らせることで自勢力を確保し、田村亮子へと全面対決を挑んだのです。
これまで田村テリトリーにより息も絶え絶えだった招待客たちは、さぶちゃんの作り出す演歌テリトリーにより一瞬生気を取り戻します。「僕たちの良く知ってる世界だ!助かった!」彼らの表情がそう語っています。このときの田村vsさぶちゃんのオーラの激突はこのドキュメンタリーの最大の見せ場です。圧倒的なオーラを誇る田村亮子にさぶちゃんのオーラがどこまで風穴を空けられるのか。実に手に汗握る戦いでした。サブちゃんは良く頑張った。二大モンスターによる大激突はまるでゴジラ映画を見た後のようなカタルシスでした。
※おまけ
谷亮子のセクシー写真
「谷亮子って実はカワイイじゃん!」というべきか、「メイクってマジすげえな」というべきか、「プロの写真家ってのはすごい技術を持ってるんだな」というべきか悩むところ。間を取って「田村亮子はそんなに酷くないし、メイクはホントに偉大な技術だし、プロの写真家のテクは尊敬に値する」としておきます。