日本一辛いカレーが出てくると評判の大沢食堂に行ってきました。いわく、カレーを食べてる最中に客が気絶したとか、カレーを食べた後救急車で運ばれたとか、様々な伝説に彩られた超激辛カレーのお店です。先日、先々日とハバネロカリー、LEE40倍に裏切られた僕は命を賭す必要のあるカレーを求めて、大沢食堂を訪れたのです。
噂によると激辛カレーを頼むと店のオヤジが「ニイチャン、それは止めときな」と説得に来るらしく、オヤジの説得を振りきるのも楽しみだったのですが、残念ながらシステムが変わっていたらしく、100円で激辛のルーを一口分チャレンジできるシステムになってました。僕のような一見さんはまずそれを勧められ、食べれればそのまま激辛カレーに(100円は払わなくていい)、食べれないと判断したなら大辛カレーに変更(100円を払う)というシステムでした。一口程度のカレールーなど物ともしない僕はぺろりと平らげ、さあ激辛カレーに挑戦ですよ。
で、結論から言うとカレーは完食したんですが、いやあ、これは辛かったです。正直、味覚として感じる辛さ自体はそうでもないんです。しかし、問題はむしろもっと根源的なところにあるのです。人体の摂取限界量を遥かに超えた唐辛子は純粋な毒であり、人間の身体は毒をこれ以上入れまいと拒絶反応を起こすんですね。ちょうど、お酒を飲みすぎて吐き気を堪えている時に、とてもお酒なんて飲めないのと同じです。もう、とにかくスプーンが口に近づかないのです。
しかし、こうなってからが本当の激辛カレーとの戦い。身体の拒絶反応が起こってから本当の勝負が始まるのです。身体がスプーンを近づけることを拒絶する中、意志の力だけでカレーを頬張り、飲みこむ。我ながら実にマゾヒスティック!拒絶反応が起こったのは大体カレーを2/3食べたところでしたが、残り1/3がキツイキツイ。しかし、僕は気合が入っているので(≒マゾなので)、なんとか完食しました!
で、食後がまた大変。異常な発汗量。視界はクラクラ、足元はフラフラ。そして短い周期で定期的に襲い来る激しい吐き気と腹痛。歩くことすらままならないので、普段は歩く距離でも電車で移動。途中マックに立ち寄って20分ほど仮眠したら持ち直しましたが、いやあ食後は本当に「酷く体調の悪い人」でしたよ、僕。電車の周りの人とか心配そうな目で見てたもんなあ。
というわけで、後遺症も凄まじい大沢カレー激辛。これだけ読むと間違っても食べたくないと思うでしょうが、後遺症が明けた後は実に爽快な気分です。カレーを食べること、そして後遺症を乗り越えることはスポーツも同じ。激しいスポーツの後のような心地よい疲労感を感じることができます。なんだか体が軽くなったみたいな感じもして、いまなら牛でも殺せそう。唐辛子という毒を体が乗り越え、むしろ唐辛子をも取りこんで身体が再生した感じです。バキでいうなら「裏返ったー!」な感じでしょうか。サウナみたいなもので、一種のショック療法なのかもしれません。この気分は悪いものじゃないので、みなさんにも(真性Mなら)オススメですよ。