いつも思うことですが、必殺スペシャルというやつは本当に最高ですね。今日はケーブルの時代劇専門チャンネルで見ました。
必殺シリーズが他多くの時代劇と大きく異なっているのは、そのあんまりにもあんまりなはっちゃけ具合。こりゃ酷え。今回の場合は、必殺仕事人の収録現場からお話はスタートします。収録中、足を滑らせて屋根から落ちる藤田まこと。そして、藤田まことは気を失い、気付いた時は江戸時代にタイムスリップしているのです。
というわけで、今回の必殺は中村主水ではなく藤田まこととして話が進むのですが、いかんせん周りの俳優は藤田まことの知り合いばかり。必殺の中の話なのに、登場人物が新しく出るたびに「あれ?***さんじゃないですか」などと藤田まことが言うので、義母の菅井きんなどが「ムコ殿は気が狂ったんじゃねえか」と心配して、座敷牢に閉じ込めようとするくらいです。
役柄的には中村主水だけど、中身は俳優の藤田まこと。このメタフィクションを使って、必殺らしい様々なくだらないギャグが炸裂します。まず、妻に"夜のお勤め"を迫られた時は「いや、私は庶民派俳優として売っているので、それは困ります」と遠ざけ、黒幕に会った時は「あれは俳優の***さんだから、汚職代官に決まっている」と見抜きます。同様に「ゲスト女優の***さんが危ない」と危機を察したり、非常にバカらしいです。
個人的に一番面白かったのは、序盤でタイムスリップした藤田まことが、これは夢なんだなと自分を納得させるシーンで「いつも仕事のことばっかり考えてたからこんな夢見ちまったんだな。まったく、新年からクソげんの悪ィ夢見ちまったぜ!」というシーン。藤田まことさん、あなた15年間も主人公を務めた作品に対し「クソげんの悪ィ」はないでしょう。超笑いました。
あと、助っ人の南蛮人仕事人というのが出てくるんですが、これが元プロ野球選手の亜仁丸レスリー。彼のバカバカしすぎる活躍はあまりにバカバカしくて書く気がしないのですが、実にバカバカしかったです。