先日、中野ブロードウェイ内にある精神世界・宗教系専門の古本屋「大予言」にて購入したのが、この「円盤物語」。本というものは装丁をちょっと工夫するだけでスグに単価が上がってしまう困りものです。僕も「完全パンクマニュアル」の時はいろんなアイデアを犠牲にする羽目になりました。とにかく本に手を加えるのは難しいのです。
が、しかし、そういった装丁によるコストアップをチッとも考えてやがらねえパンクな本がコレ。まずすごいのはカバー表面に穴が開いていることです。円形の小さな穴が188個も開いています。HPの説明によると「マーズ・アタック」OPの円盤の大群をイメージしているとのこと。
僕はこのカバーを見た時点で「うわあ、くだらないことに金かけてるなあ」と興味を惹かれたのですが、中身を見たらまた中身もすごかった。左の写真がその中身なんですけど、まず全ページが蛍光オレンジ。読みにくいことこの上なし!目が痛い、痛い!さらに情報量は中央に円盤(UFO)の図が表示されてるのと、横に小さな文字で(これまた読みにくい!)解説が付されているのみ。だからページはほとんど空白のオレンジ色。すごい勢いで紙面の無駄使いです。
つまり、この本はカバーやら蛍光オレンジやらやたら変なところに金をかけて、情報量はすんごい少ないっていう変な本なのです。これは新しいと思ったので購入に踏み切りました。本というものは基本的に情報媒体であり、一般的にもそのように受けとめられているのですが、このやろうは情報媒体としての価値を投げ捨て、本自体の可愛らしさで勝負に来てるわけです。実際、この本の最後にも
「楽しく明るい玩具としての本
やさしい本
おもわずプレゼントしたくなる本
夢を持ち続けている大人の本
オブジェとしての本
そして、奇妙で月っぽい本
牛若丸は、そんな本を作り続けてゆきたいと思います」
と書かれており、そういう目的のもと作られたということで正解みたいです。僕も作り手の意向に沿って、あんまり中身は読まずに、本棚に飾ったり、見せびらかしたりしようと思います。次は「lines―線の事件簿」が欲しいなぁ。なんかSwatchを買うのに似た感覚。
ちなみに商品一覧。贈答用にも良いかもしれませんね。……これを貰った人がみんな喜ぶとは思いませんが。