【3/5】2007年14号のジャンプ感想


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今回は文章だけじゃなくて漫画も入っていて、漫画担当の川奈先生と二人でアイデア出しながら作っていったんですけど、漫画って本当に難しいものだと再認識しました。
僕が書けるのは普通の文章だけで、小説を書くスキルもほとんどないんですけど、漫画ってやつは自分が表現したいことを現物化するまでのステップがとにかく多くて、これは小説を書くよりも大変だと思いました。
漫画家の道に進まなくて本当に良かった。

漫画ってやつは、一通りの技術をマスターした上で、さらに立派なストーリーを考え、そしてさらに(これが一番難しいのだけど)自分だけの個性を出さなきゃいけないってんだから、本当にムチャクチャな話です。
そう考えると、荒木飛呂彦先生がどれだけすごい作家か分かります。メチャクチャ個性ありますからね。

週刊ジャンプ連載作品は、これだけの難事業を一週間に19ページもやらなきゃいけないわけで、そりゃあ面白い作品なんて出来るわけがないですよ。常識的に考えて。
だから、たとえ日本の漫画家志望者の上澄みをジャンプに集めたとしても、それでも「たいして面白くない」が当たり前で、ネウロの松井先生みたいに毎週あのクオリティを維持できてる作家の方が、「ちょっとどうかしてる才能」なのだと思います。許斐先生は良く分からん。

まあ、そんな感じで、漫画を描くのがいかに難しいかを少し知った僕ですが、それはそれとしていつも通りに感想を書くのです。


テニス

許斐先生が本当にアンチェインすぎます。

金太郎をここまで持ち上げ、主人公との戦いを最終戦に配しながら、最終戦まで届かず終わらせちゃいました。
ハンターハンターはいつ誰が死んでもおかしくない、まったく先が読めない漫画ですが、テニスの王子様の勝敗予想も、これじゃ誰にも想像できませんよ。
いろんな感想サイトが事前に四天宝寺戦の勝ち負けを予想していましたが、こんなもの当てた人いないんじゃないでしょうか。

というのは、どっちにしろ越前少年まで届かないんだったら、青学は無理して黒星をつける必要ないんです。
つまり不二先輩に負ける必然性などなかったのです。
仮に不二先輩の敗北を予想した人がいても、それは青学を二敗させるための黒星稼ぎの予想のはずで、常識的に考えれば、「不二先輩が負ける」ことと、「越前少年まで届かない」ことを同時に考えるなんてありえないわけです。

でも、そんなありえないことが起きちゃった。
これはもう、今後はあらゆる制約なしにテニスの勝ち負け予想をしなければならないということです。
とりあえず、決勝の相手が立海になるか、外人軍団になるかは、完全に50・50だと思う。
許斐先生が雪村を活躍させないことをいまさら躊躇するとは到底思えないんだ。

・跡部「宿敵(とも)よ、強くあれ!」
ああ、跡部様がどんどん変な人になっていく……。

・ダブルス1終了
ここで四天宝寺戦が終わってしまったことについては、上で長々と語ったので今更言うまでもありませんが、特筆すべきことは、乾・財前の両者がボールに触れる描写が1コマもなかったことです。
一応、サーブくらいはするという話だったのに、許斐先生は完全に最後まで無視しきりました。

・白石「エラい部長を持ったな」
確かに手塚部長の恐ろしさは圧倒的ですが、しかし、青学変態軍団から一勝をもぎ取った白石少年も十分立派な部長だと思います。
ことここに至ると、青学から一勝を取るって本当に大変なことですから。
氷帝の宍戸・鳳ペアとか、あれほどの恐怖体験(シンクロ)を味わって、それでなんとか得た一勝ですよ。
本当に白石少年はよく勝ったものだと思う。
胸を張っていい。

・奈良「オラァ、もう触んなや、一氏!!」
奈良豹変……。
なんだこのキャラ付けは……。

軽く流してしまいそうなところですが、これも許斐先生の恐ろしいところです。
奈良・一氏のホモカップリングはド素人が見ると、「おいおい、許斐のやろう、今度はモロに婦女子に媚びてきたぜ」と考えるところですが、少し見る目のあるテニス読者は、「ふむ、なるほど。奈良でホモか。これは許斐先生から婦女子への皮肉だな」と考えるわけです。
対して婦女子さんの方も、「奈良がホモなんていやあねえ」と思うのが大半ながらも、気骨の入った婦女子さんは、「いや、ならばあえて萌えてみせよう、奈良と一氏」と意気込みを見せ、許斐先生へ挑戦するわけです。

と、このように読者は「テニスに狙ったホモが出てきたと思ったら奈良だった」という現実に、ここまで対処してきたわけです。
わけですが、しかし、ここまで対処させながら、許斐先生は最後にポンとちゃぶ台を返すので、読者は「許斐は本当に何を考えているんだ」と呆然とするしかないのです。

あの、ホントに、この二人に対し、僕たちはどう接すればいいんですか……??

・大石「行ってあげたら喜ぶよ!」
皮肉としか思えないこの言葉ですが、それよりも河村先輩の状態の軽さにビックリです。
頭蓋骨陥没くらいは当然と思いましたが、これくらいだと無事社会復帰できそうですね!
あと、師範もやっぱり病院行った方がいいと思うよ。
見舞いじゃなくて、診療を受けに。

・千歳「ドロボーの兄ちゃんからおめでとうを……」手塚「断る!」
断固として断る手塚部長。
ああ、やっぱりこの人は「ドロボーの兄ちゃん」呼ばわりを、そんなに気にしていたのか……。

以前の感想にも書きましたが、手塚部長は九州で共にイップス克服のため励んだ少女に別れも告げずに一人で帰っちゃったんですよね。
それが別に「会うと別れが辛くなる」とか、そういう理由は何一つなく、ただ単に挨拶をせずに帰っただけなんです。
何故なんだろうなあ、もしかしてドロボー呼ばわりにムカついてたのかなあ、とその時は考えてましたが、今週でも頑なに少女との接触を拒んでいますし、やっぱりドロボー呼ばわりが臓物煮えくり返るくらいムカついていたようです。

ずっと前から不思議だった点が解決できてちょっと嬉しい反面、こんな解決(手塚部長はドロボー呼ばわりに真剣にムカついてた)でホントにいいんですか許斐先生。
ちょっと心配になります。

・財前「ホンマ退部してくれれば良かったんや~~~先輩」
謙也「お前や無理やって!」

財前「どうせ勝てない勝負なら、オレも全国大会準決勝を戦って負けたかった」
謙也「どうせ無理なんだから試合しなくていいじゃん」

どう考えても財前少年の方が前向きです。

・大石「え、越前っ。明日は決勝だ。無意味な試合でケガでもしたら…」
この「無意味な試合でケガでもしたら」というのが、すごく現実的です。
ここでの「ケガ」というのは、通常テニスをしていて低確率で発生する一般的なケガではなく、極めて高い確率で発生する「ケガ」ですからね。
石田少年が「師範」と呼ばれていることから、四天宝寺では下級生への波動球伝授が行われていたことは明白であり、また、現にベスト8では金太郎は伊武を棄権負けさせています。
素人目に見ても、越前が無傷で金太郎戦を終わらせられる確率は1%未満でしょう。
変態揃いの青学陣にあって、その中でも越前少年は強大な戦力ですから、決勝のことを考えれば、彼にケガをさせるわけにはいかないのです。
勝敗を決するS1であっても越前少年にケガをさせれば決勝戦が不利になることは否めませんし、ましてや勝敗が決まった後のエキシビジョンマッチでケガを負うなど、そんなバカらしい話はありえません。
越前少年が五体満足で決勝へ進むことが、今の青学には何よりも大切なのです。

そう考えると、四天宝寺を相手に最小限の犠牲(河村先輩)だけで切り抜けた青学は本当にラッキーですね。
越前まで回さなかったというのは本当に大きいと思います。

・「おおーっ、何だあの動……」
比嘉中の消化試合しかりですが、今回の金太郎戦のように、「チームの勝敗には全く関係がなく、何の緊迫感も生まれない」試合でありながら、読者を楽しませるところが許斐先生の凄まじいところで、まあ、早い話、「絵による一発ギャグ」がある限り、どのような状態でも許斐先生は話を盛り上げられるわけです。
それが「勝敗なんてどうでもいいや」というアンチェインさに繋がっているのかもしれませんね。

しかし、この金太郎の動きを「完璧なテニス」の白石部長はどう思っているのでしょうか。
白石部長とは回転の方向が違うので、ダメ出しされそうな気がするんですけど。

この後、二人の戦いはどうなるんでしょうね。
常識的に考えるなら、どう考えてもこの一球で越前少年の心に火が付き、そこからフルの試合になるはずなんですが、山吹の阿久津があそこでテニスをやめた前例もありますし、この一球で試合終了になりそうな予感もします。


サムライうさぎ

「プルソウル」「よしっ」の福島先生ということで、何一つ期待はしてませんでしたが、思ったよりは良かったです。
時代劇好きとしては、「そりゃねえだろ」と思うところも多々ありましたが、そこには突っ込まないことにします。
必殺仕事人スペシャルを大好きな僕が、サムライうさぎの時代考証に突っ込むのはアンフェアだと思うんだ。

・ハゲとハエで死ぬ職
実際に、江戸時代の武士がどれほど死に面していたかは分からないのですが、例えば極端な例では、新撰組勘定方(つまり経理担当)の河合耆三郎は隊の金を50両紛失してたために切腹となりました。(これには他の説もありますが)
このように現在では命まで取られないミスでも切腹させられることがあったのが武士です。

みなさんも学校で「慶安の触書」を見たことがあると思いますが、僕も小学校の授業で、

「一,百姓ハ分別もなく末の考もなき者ニ候故,……米を多く喰つぶし候ハぬ様に仕るべく候。……年貢さへすまし候得ハ,百姓程心易きものは之れ無く,よくよく此趣を心がけ,子々孫々迄申伝へ,能々身持をかせぎ申すべきもの也。」

という記述について、先生が「江戸時代の農民は貧しかったのに、武士が色々と生活に制限をつけた上で『心易きもの』とは言語道断だ」などと言って怒ってる(小学校の先生ってこういうので怒るよね)のを聞いて、「その通りだなあ、武士はひどいや」と、当時は思っていました。
しかし、今になって考えると、「ミスっても死ななくていい」という一点においては、確かに農民の方が気楽だったと言えるかもしれません。
武士は食いっぱぐれて死ぬことはなくても、ショートカットで直接死にますからね。

・「オレのような腕の立つ者は上級武士に歓迎されるらしい」
ここがこの漫画の一番意味不明なポイントで、疑問を並べていくと

1、なんで上級武士はわざわざ強い者と八百長で戦おうとするのか?
2、試合で負け続けた者が、どの機会に「腕が立つ」と道場外部に認識されるのか?
3、試合に出せば負ける剣士を育ててるだけの道場がなぜ名門なのか?

と、いろいろ分からない点が多すぎて、頭の中が「???」で満たされます。
どうも福島先生、あんまり考えてない気がします。

・なぜか主人公に襲い掛かる道場のみなさん
先の「なんで強い者が八百長試合で必要とされるのか」がさっぱり分からないので、なぜ主人公を道場に繋ぎとめようとするのか分からないし、襲い掛かって怪我でもさせたら意味ないじゃんとか、やっぱりいろいろ分かりません。

たぶん、「強い者が八百長試合で必要とされる」のは、強い者に試合で勝ったから武官として重用される、ってことなんだろうけど、そのためにはまず強い者が強い者と認識されなければいけないので、そのためには強い者は試合に勝たなければなりません。
でも、八百長で負けなきゃいけないから強い者は強くないと認識されるわけで、強くないんだから八百長で強くない者に勝ってもしょうがないことになり、要するにこのシステムは破綻しているんです。
本来は主人公が試合などで勝ちまくって藩内で認められた後に、ここぞという場面でだけ八百長で負ければいいんですけど、いきなり負けてますからね。
道場内でだけ「強さ」をアピールするなら、別に主人公でなくても誰でもいいわけで、道場が適当な人を「こいつはとにかく強いですよ」と喧伝して負けさせれば済む話です。

どうも福島先生、やっぱりあんまり考えてない気がします。

・以下、チラシの裏にでも書いてろ的なこと
と、そこまで粗が目立っても、あまり悪い気持ちにならないのは、ヒロインの志乃がモロに僕のタイプだからです。
容姿じゃなくて性格的にね。
この子がリアルでいたら、間違いなく惚れるなあ。
僕はどうしても合理や打算で動いちゃう凡人なので、「気持ちよさそうだから」という理由でためらいなく川に飛び込める人には憧れるのです。

確かの通夜編で、登場人物が靴下のまま地面に降りて、周りの人がびっくりするんだけど、「こんなものはこうやって足の裏の土を払うだけでいい」と言って、いかに人間がつまらないことに縛られて生きているかを示すエピソードがあったと思うのですが、そのように、僕たち凡人は打算や合理や常識に、行動の大方を縛られているわけです。
で、その一方、志乃はそういった枷をひょんと飛び越えられる人間として描かれているわけで、そりゃあ魅力的なわけです。
うさぎの新解釈とかもすごく良いですね。
天衣無縫を感じます。

でも僕は正直、このキャラクターは福島先生の手に余ると思うのです。
だから惚れないことにします。
福島先生がこのキャラを損ねた時のショックが甚だしいと思うから。
今の彼女が素晴らしいばかりに、逆に怖くて惚れられないのです。
これが長谷見先生の創作したキャラクターであれば、「長谷見の才能に賭けてみるぜ!」とも思えるのですが、福島先生にはまだそれだけの実績はありませんからね。
少なくとも、あと半年は様子見だなあ。

しかし、そう考えると、我ながら長谷見先生への絶大な信頼が信者っぽくて気持ち悪いです。
長谷見先生はWikiだとムチャクチャなことを書かれてるんですが、あれだけの仕事をしておきながら、「内容の薄い話から本当は実在しない人物ではないのかと疑われている」とか言われてるなんて切ないです。
おまえら100回To LOVEる読み直せと言いたい。


ナルト

「でも、呪印があるからサスケは大蛇丸に逆らえないのでしたー、おしまーい!」

↑いまの岸本先生なら、このくらいのことはやっちゃいそうでビクビクしてたので、今週の内容は非常に秀逸に感じました。
その分、サスケくんの性格の悪さがクローズアップされちゃったわけですが、まあいいや、この子は。
サスケくんが自慢気に語る「うちは」の名も、あれがうちわマークだと分かってからは妙にかっこ悪いですし。

今週のナルトが秀逸だと思ったのは、サスケを性格悪くした代償として、大蛇丸さんに感情移入しやすい内容を作ったことです。
大蛇丸さんの「この世の道理を解き明かす」は、サスケから「くだらない利己的な理由」と断じられちゃったけど、でもロマンはありますよ。傍迷惑だけど。
最後の回想ページからしても、岸本先生がここでは大蛇丸に感情移入させようとしていることは明白で、今週は岸本先生の狙いが(超久しぶりに)成功してたと思うのです。
僕、すごい大蛇丸さんに感情移入したよ、サスケ氏ねって思ったよ。

で、大蛇丸さんにはサスケの反逆に備えた何か奥の手があるんだよね? あるんだよね??


ブリーチ

・恋次「待てよ」

「何の勘違いをしてやがんだ? 俺はてめえと喋りに来てんじゃねえ。てめえらをブッ潰しに来てんだぜ。てめえの素性なんざ知ったこっちゃ無え。喋りたきゃ俺に斬られながら勝手に喋れ。ただし、加減してやる気は無えがな」

喋りに来たわけじゃない割には、たっぷり前口上を述べてから卍解する恋次。
待てよ、とか言わず、いきなり斬りかかればいいじゃない。
『ブッ潰す』と心の中で思ったなら、その時スデに行動を終えていればいいじゃない。
『ブッ潰した』なら使ってもいい。


To LOVEる

新たな属性開発に余念のない長谷見先生。
ついに女装にまで手を出してきたか……。

しかし、ハーレム漫画において「主人公が意味なくモテる」というのは良くある展開ですが、今週が某パンツ漫画と違うのは、

1、主人公の好感度が高い
2、まっとうな女の子ではない

ところです。
つまり、今週のTo LOVEるは、まず「なんだよー、意味なくモテやがってー」というハーレム漫画傾向に対する怒りを若干感じさせますが、「でもまあリトくんならいいか」と思わせます。彼にはそれだけの積み重ねがありますから。
しかし、僕たちがそう納得したところで、「実はレンでした」と明かされ、ちっとも羨ましくないことが分かり、「うん、やっぱりリトくんはいいやつだ、マイフレンド」と落ち着くのです。
ハーレム漫画傾向を示しながらも、主人公の株を下げない辺りが今週も見事な仕事です。

でも、それでも今週はイマイチかな。
今週はルンの顔見世程度で、今後絡ませるための伏線的な話だったので、To LOVEる的なガツンと来る何かがなかったです。

いや待てよ。
もしかすると、今週は「女装男子」に反応できる男の子なら、「すごくガツンときた話」なのかもしれません。
こうなると、ちょっと僕には分からないのだけど。


ペンギン

・永遠の戦い(ry
大石先生が何気に得意なメタギャグ。
これは「ものすごくカッコよくてハデな必殺技も描いてる姿は地味だから今回はハデに原稿を描いてみた(という原稿を描く姿が地味)」というギャグで、カッコ内の「(という原稿を描く姿が地味)」は読者の想像内でさらに漫画を延長させろということです。この後、脳内では無限に続きます。
ギャグとしてはあんまり面白くないんだけど、とても不思議な感じを受けます。
こういうの嫌いじゃないぜ。

・スキャットマンジョン
最近の人は知ってるのかなあ。
スキャットマンジョンは「良い音楽を作っていても、ブームに消費されるとあっという間に廃れる」という典型のようなアーティストで、彼の音楽自体は間違いなくハイレベルであったものの、あまりにブームになりすぎたために一過性のものとして片付けられ、現在では触れられることすらない可哀想な人です。
いや、一過性でもあれだけ取り上げられりゃ、アーティストとしては幸せなんだけどさ。

まあ、何が言いたいかというと、家にまだアルバムがある人は久しぶりに聞いてみて下さい。
普通にいいから。

・魔法少女そそっかシーナ
4コマが全く面白くない代わりに、魔法少女の「魔法」の部分の取り扱いの難しさに、大石先生と担当が困っているところが面白かったです。
大石先生、狙いが奇抜だよなあ。
ここらへんのセンスがペンギンを嫌いになれないところです。
面白いかどうかは置いといて、創作者としての精神性が嫌いになれないです。


こち亀

いつも通りの展開(なんとなく両さんが不幸になって稼ぎもおじゃん)を回避した点で一定の評価をしたいのですが、しかし、両さんが旧態依然とした制度の方に懐かしさを感じるというのも、それはそれでスッキリしない感じがします。
いや、このケースでベストなオチなんて思いつきませんけどね。
両さん、普通に3ヶ月みっちり仕事して良い成績残しそうだし。

しかし、この職場環境は「理想的」と感じる人が多いのではないでしょうか。
僕もこんな仕事なら会社勤めもアリかもしれない。
僕は自由業(作家)なのでこういう立場に近いっちゃ近いんですが、最大の違いは仕事を向こうから与えられることですね。
僕は仕事を自力でゲットしなきゃいけないので、そこが大変なのです。
自分の力を最大限に活かせる仕事を与えられて、マイペースで仕上げて、自分の作業に見合った報酬を与えられるなんて羨ましいですよ。
労働環境が整っていて、食堂がタダってのもすげー羨ましい。

両さんの言う「社員の連帯感」といった部分は、仕事とプライベートを切り離して考えることができれば、何も問題ないと思いますし。
そういった情緒的な部分はプライベートで補えば良いのです。
退職後も「仕事しか生きがいがない」「職場しか居場所がない」みたいなことにならず、健康的かもしれませんよ。


もて王

矢射子サイドで、乾、一口とあれだけの変化を与えて、最終決戦の様相を呈しながら、木嶋先輩の結果はあんなことですか!

うーん、これは喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか。
木嶋先輩の幸せを真剣に願う僕としては、吉下さんに玉砕したのは悲しい話だったんですが、でもこれでくっ付いたら、それはそれで二人が用済みになって、もう出てこなくなりそうだし。
二人はくっ付かない限り、卒業後もチョコチョコ出てきてくれそうな気がします。

それにしても、太臓たちも既に3年生ですか。
あと一年経ったら大学進学するのかなあ。
僕は木嶋先輩が好きすぎるので、早く大学進学して合流して欲しいです。
そして、12号の「6人とも卒業取り消し!」は本当にただの誤植だったのでしょうか。


ユンボル

最後の展開はかなり厳しめで、特にゲンバー大王の今わの際の心変わりが説得力不足です。
数週かけて戦いの中で大王の心情変化を描いていけば巧くまとまったかもしれないんですが。
たぶん、大王は自分が死んじゃった後は、世界を救うリーダーシップを持つ人間が不在になる(&ドカルトには任せたくない)ことから、最期の戦いでその気力を認めたバルに今後の舵取りを任せたということなんでしょうけど、しかし、いくらなんでも説明不足です。
でも最終回だからしょうがないのかなあ。

「そして建設へ――」のサブタイトルは素晴らしかったけれど、今週の話は最終回としては正直残念なクオリティ。
先週のクオリティが高かっただけに特にです。

それにしても、やっぱり終わってしまいましたね、ユンボル。
「ごっちゃんです」が打ち切られた時に、僕は「ジャンプは作品の質は本当に関係なく、純粋にアンケート票だけで決めるんだな」と確信したんですが、まあ今回もそういうことなんでしょう。
アンケートシステムは確かに公正なシステムではありますが、しかし、ユンボルを読んで「すごく面白いぜ」と思った漫画家志望の人は、ジャンプに投稿しようと思わなくなっちゃいますよ。
自分が「すごく面白い」と思った作品が生き残れないんですから。
いや、まあ、それはどの作品に対しても同じことが言えるんですけどね。

そして、打ち切られた武井先生が十二傑賞審査をするというのは本当にどうなんだろう。
武井先生だって自分の作品は面白いと思って描いてるわけで、それが打ち切られたとなると、武井先生が面白いと思って選んだ投稿作品はジャンプではやってけないってことにならないのでしょうか。


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