ジョジョ第一部の映画を見てきました。
簡潔に一言でまとめると「無難な作品」です。良くも悪くも凡作です。ファックはしてないけど、素晴らしくもありません。
あれだけの分量のものを1時間半程度に収めので、急ぎ足&はしょりまくりになるのはしょうがないことです。しかし、クリエイターはそこでおそらく1つの選択を迫られることになると思います。
つまり、
1、単なるダイジェストになることはやむなし。原作未読の人もそれなりに楽しめるよう、原作に忠実に、必要な部分だけを絞って映画化。
2、尺は足りないものの単なるダイジェストになることは避け、独自の解釈・感性で、原作とは違った「面白さ」を新たに創出して映画化。
1は無難な選択で、原作ファンにもそれなりに喜ばれ、内容的にもそれなりにまとまったものを見せることができます。2は完全な冒険であり、作品的にはハイクオリィであってもファンの意見は二分されます(ex.今川作品)。
で、今回のジョジョは1の方を選んでるわけですね。だから、大コケは絶対しないけど、心に残るような作品にはなりません。これはもう1を選んだ時点でしょうがないことです。
たとえ1であっても、クオリティがすごく高ければアリなんですが、そこまでのものでもありません。DIOが吸血鬼化するまでは結構面白いのだけど(それでもDIOの悪事がセコくて小悪党にしか見えないのは大問題)、ツェペリ男爵と合流してからは展開がスピーディーすぎて説得力がなく興醒めです。あと、素人だからしょうがないのだけど、ゲスト声優のスピードワゴン(ワンチェン役)がヘタクソすぎて浮きまくってました。特に去り際の奇声が酷い。なぜあれをリテイクしなかったのか? ダリオ・ブランドーの方は巧かったんだけどなあ。
僕は基本的に冒険をしない作品が好きじゃないので、1を選んだ時点でどうしても辛口になってしまうのですが、オススメ度としては「原作ファンだけ見とけばいい」くらいのものだと思います。他の人はレンタルで十分なクオリティかと。「クオリティ? 関係ないね! ジョジョがカラーで動くだけで満足!」という一線を越えたファンなら、それでも楽しめると思います。
あ、ダイアーさん出てきませんよ。スピードワゴンも出てきません。
結論:「ジョジョが映画化した」という事実それ自体を尊重できるファンは見てもいいと思う。そうでない人はレンタルで十分かと。なんにせよ過度な期待はしない方がいい。