大長編ドラの中でも傑作と呼び声の高い「鉄人兵団」を見てみました。
まず、冒頭はよくあるシーン、すなわち、自慢するスネ夫とドラえもんに泣きつくのび太の姿から始まります。スネ夫は従兄弟に作ってもらったという身長1M超の二足歩行ラジコン「ミクロス」を自慢するのですが、一流企業でさえ二足歩行ロボットを作るのは大変なのに、スネ夫の従兄弟はすごい技術力です。ジャイアンがしばしば
「お前の従兄弟は本当に天才だぜ」
といってますが、まったくその通りだと思います。なお、このミクロスですが、 途中から背中のプロペラで空が飛べるようになります。二足歩行可能な上に、飛行可能な自作ラジコン。本当にスネ夫の従兄弟は天才です。彼が5年本気で取り組めばタケコプターは作れると思う。
で、ミクロスを自慢するスネ夫を羨むのび太。ていうか、キミの家にはもっと大きくて高性能なロボットがいるじゃないか。一体、何を羨むことがあるんだ。スネ夫も、のび太にロボット自慢するなんてナンセンスだぜ。
結局、その「もっと大きくて高性能なロボット」であるところのドラえもんに泣きつくのび太。
「ドラえも~ん、大きなロボット出してよ~~~~~」
キミの目の前にいるじゃないか。どうも、この映画はドラえもん自
身もロボットだということを失念した上で話が展開してる気がします。
そして、この映画の見所は、なんといってもロボット少女のリルルです。エロイ。 実にエロイ。途中で故障したリルルはドラえもんの道具で治療を受けることになり、(ロボットだけど)包帯を巻かれることになるんですが、そこでリルルの裸、ならびに裸包帯姿が拝めるのです。特に裸に包帯がとてもエロイです。パンツのエロさは、股間をわずか布一枚が隔てているところにあると思うんですが、包帯も同じく薄布一枚なのです。そりゃあエロいですよ! ちなみにラストシーンではリルルのパンチラが見れます。なんだこのアニメ。
そして、大長編ドラえもんに付き物なのが血生臭い戦闘シーンですが、鉄人兵団の大部隊を相手にするドラ側は殺る気満々です。彼等の取った戦術ですが、まず鏡面世界(町並みなどは逆転して構成されているが人はおらず、鏡面世界でのダメージは現実世界には影響しない)に敵兵団を全ておびき寄せます。そして、自分たちは身を隠し、敵兵団が破壊活動を行うであろう大都市に「やまびこやま」を設置。やまびこやまは、攻撃を受けるとそれに反応して攻撃を返す道具で、これを用い、敵に一人相撲をさせ、さらに、やまびこやまによる反撃を行うのです。
しかし、人間が人っ子一人いないことを不審に思った敵兵団は、これが鏡面世界であることに気付き、現実世界への入り口へと殺到します。ここでようやくドラたちは直接戦闘に入り、タコツボの中に身を隠しながら飛び道具で応戦するのです。敵を隔離空間におびき寄せ、消耗させた後で掃討作戦を行うわけで、かなり容赦ない戦術だといえます。これだけのことを全てドラえもん一体の戦力で為し得るのです。ドラえもんは戦術兵器ではなく、戦略兵器の域に達してると思う。
ラストはタイムマシンで過去へと飛び、鉄人兵団が他人を襲うようなことはしないよう、最初のロボットをプログラムし直すことで解決となりました(未来が変わって、現在進行中のロボットが消える)。でも、魔界大冒険では「もしもボックス」を使ってもパラレルワールドは継続して本質的解決にならないという話だったのに、タイムマシンはアリなんですかね。ちょっと納得いかないぜ。しかし、それを言うと、セワシくんがドラえもんを送り込んできた時点で話が成り立たないか……。