【7/12】宗教学メモ(12)


・ヌミノーゼには拒否的要素と並んで、このような誘因的要素がなければ、ヌミノーゼそれ自身の獲得を目指す儀式、聖餐式などがある理由が説明されない(聖餐式においてイエスの体を食べたり血を飲んだりは、ヌミノーゼそれ自身の獲得を目指す要因がなければ説明できない)
・また、宗教生活もヌミノーゼの誘因的要素によるものといえる。世俗財ではなく救済財、最も荘厳な浄化された「霊にある」状態、浄福を目指す。(出家や修道院など、外部から奪われることのない精神的幸福、霊的なあり方を求めるのはヌミノーゼの誘因的要素によるもの)


《エリアーデの聖俗論》

・『聖なるものと俗なるもの』(1957)
・エリアーデはオットーの「聖なるもの」という第一カテゴリーを受け継いだ上で、聖なるものの現象をその多様な全貌において解明しようと試みる。


《聖なるものの定義》

・聖なるものの最初の定義は、それが俗なるものとの対称をなすということに始る。
・人間が聖なるものを知るのは、それが自らを顕すからであり、しかも俗なるものとは、全く異なったあるものとして自らを示すからである。(人間の側に聖なるものを知る能力があるわけではない)


《ヒエロファニー》

・聖なるものの、この自己顕現 → ヒエロファニー Hierophonie 聖体顕現
・「この語が都合がよいことは『何か聖なるものがわれわれに対して顕れる』ということ以上の意味を持たない点である」(※聖なるものが「~~のために(顕れる)」という「~のために」を考えないことにより、様々な宗教現象に対して応用しうる意味で便利)

・かの「絶対他者」、この世ならざる一つの実体が、この自然的な、俗なる世界の必然的な要素を成す諸事物の中に(絶対他者、すなわち、この世界を超えている聖なるものが自ら)顕れるのである。(なお、我々がこの世界に住んでいる限り、この世界にあるものは「俗なるもの」である)


《聖なる石・聖なる木》

・聖なる石、聖なる木は、石として、木として、崇拝されるのではない。それがヒエロファニーだからである。それはもはや石や木ではなく、かの聖なるもの、絶対他者である何かを示しているからである(意味・解釈)(※この世界がどうしてあるのか。また、それを踏まえて自分はどう生きるべきか、という意味・解釈の鋭意が宗教))

・世俗の観点からは、それを他のすべての石から区別する何ものもない。(※世俗の観点からは何の違いもないものが、宗教的観点からは別のものに見える。なぜなら宗教者はそこにヒエロファニーを見るから)


《聖俗論の二つの差異性》

・第一の差異性:ヒエロファニーにおける聖なるものと俗なるものとの差異性(なんでかは良く分からんが、とにかく聖なるものの側から顕現してきたんだ、と皆が受け取っているもの。その聖なるもの以外は、みんな俗なるもの)

・第二の差異性:ヒエロファニーを受け入れる宗教的あり方と、ヒエロファニーを受け入れない(知らない)宗教的ないし、無宗教的なあり方。(「これは聖なる石だ」という人はヒエロファニーを受け入れた人。一般的には「宗教的な人」といわれる。受け入れない人は「俗なる人」。なお、宗教的な人を「聖なる人」とは言わない)(※近代人は完璧な「俗なる人」を目指している)

・聖と俗という差異性そのものを知らないあり方を「俗」と呼んでいる


《非聖化》

・宗教的人間は、常に聖なる宇宙(コスモス)の内に生きようと努める。
・宗教的人間の全生活体験は宗教的感情を持たない人、聖なるものを失った世界に生きる人間とはその質を異にする。
・近代における非聖化された宇宙というものは、人間精神の歴史における新たな発見である。(ニーチェの言うところの「神は死んだ」以降)
・この「非聖化」こそが近代社会の非宗教的人間を特徴付ける言葉(神を殺せば殺しきる程、「自分」になりうる。これを選び取ったのが近代であり、これは近代の新しい発見である)


《聖なる空間と世界の聖化》

(宗教的人間は世界をどう受け止めているの?/宗教的人間の空間解釈は?)
        ↓
・宗教的人間にとって空間は均質ではない
・空間は断絶と裂け目を示している。
「ここに近寄るな。履き物を脱げ。おまえが立っているこの場所は聖なる地である」(出エジプト記3-5)
・空間の中で起こったこの断絶によって、世界の形成が可能となる。この断絶こそ、その後の方向付けの不動点、中心軸を生み出す。(※ここで言う「方向」とは東西南北といった意味ではなく、「こっちが聖なる場所」みたいなニュアンス)


《宗教的人間の行為の意味》

・何の目的もなく、方向のつけようもない、均質な空間(=俗なる空間)の中に、ヒエロファニーによって一つの絶対的な不動点、一つの中心が顕れる。
・荒地の開墾は単に人間的作業ではなく、神々が世界をカオスから創造したそのわざの模倣である。
・だから、われわれの世界はコスモスである。一方、これをカオスに変えようとする外からのあらゆる襲撃に脅かされている。

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