【筑摩書房】「仁義なきキリスト教史」文庫版発売

   

「エリ・エリ・レマ・サバクタニ!(おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃあ!)」 

 「仁義なきキリスト教史」が文庫になりました。お値段もお求めやすく、880円!(+税)。全国書店にて発売中です!

2016-12-07-10-29-52

「仁義なきキリスト教史」は2014年に発売されたキリスト教の歴史を描いた小説。イエス、パウロ、ルターなどのキリスト教徒たちが全員やくざという設定で、仁義なき闘争を繰り広げます。だって、史実が仁義なき戦いなんだから仕方がない。

 なお、個人的な白眉(一番気に入ってるやつ)は第七章の「第四回十字軍」です。イスラムに攻め入るはずだった十字軍が、資金難からウッカリ同じキリスト教徒を襲ったり、ウッカリとキリスト教国家を征服しちゃったりします。十字軍のアレな歴史の中でも飛び抜けてアレな第四回を題材にやくざアレンジを施しました。「関係者全員こんなことしてちゃダメだと分かってるけど、やむにやまれず目の前のことをやっていったら、最終的にとんでもないことになっちゃった」感が大好きなんです。なんかね、ダメダメのグダグダに見える第四回十字軍も、それなりに色々と事情があったんですよ。まあやっぱりダメダメなんだけど。

 そして、さらに文庫版加筆コンテンツとして「出エジプトーー若頭モーセの苦闘」を書き下ろし。本編では大昔の活躍が仄めかされるに留まっていたユダヤ組初代組長ヤハウェ大親分(唯一神)の現役時代のお話です。めちゃくちゃキレてて無茶苦茶やばい大親分と、その下で駆けずり回って必死に頑張る若頭モーセ。いやこれ、旧約聖書に概ねそのまま書かれてるんですよ。本当にやばい。大親分の筆舌に尽くしがたい血みどろの大活躍を文庫版で今すぐチェックだ!

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