【2/15-2/20】お船のことを考えると俺は無限にメランコリックになる
・まずは明るい?話題から。
ダンゲロス1969の最終巻が出たよ! 打ち切りなので明るい話ではないのかもしれないな!!
・こういうことを言うと売れなかった作家の言い訳みたいに思われるかもしれないけど、これは本心として、作品のクオリティと売れる・売れないはあまり関係がないと思ってて……。関係がない、は言いすぎだけど、売れる・売れない、は一つのファクターに過ぎないというか。そりゃまあ売れた方がいいし、そのために宣伝の努力とかも色々してきたけど、最大限頑張っても売れない可能性があることは常に思っていた。……この感覚、伝わるかな。売れることはもはやこの時代、至上目的とも言い難いというか、そこにあまり大きく価値を置きすぎない方が良いと思っている。
・まあ、何が言いたいかと言いますと、横田先生はいつかどこかで時間を作って続きを描いてくれるとのことですので、そういう感じで、皆さんものんびりお待ち頂ければと思います。今の御時世、売れなかったこと、打ち切りになったことが、即、作品の死ではないんですよね。残念ではあるけれど、それはある一定程度の残念でしかない。
・あと、マンガ技術研究会の2月の定例会の詳細が出ました!
これ、会の中で女性作家の方が、ヒーローのキャラクター像に好感を抱いていたので、キャラの好感度の上げ方としてみんなと共有したいと思ってセレクトしました。
・キャラを読者に好きになってもらうのって難しいんですよね。未だに私も技術的に確立できてないので、こういうのはたくさん議論して血肉にしていきたい。
・なお、今回の定例研究会は完全オンラインとなります。いつもは新宿教室での現地参加もできるんですが、今回は動画中継のみ。コロナウイルスを鑑みて私が進言しました。感染対策の強化は経済活動との天秤なので結構難しいんですけど(あんまり自粛しすぎても経済が冷え込む)、ウチの研究会に関しては、オンライン環境で基礎的な活動がまかなえるという点に強みがあるため、今回はオフでの会合を見合わせたという判断です。リアルで集まらないとできない他のイベントに関しては、また別の価値判断があると思います。
・あとジャンプ感想書きました。
今週のワンピース、オロチの行動原理とか、おでんさまの裸踊りとか説得力があったし、全て元を辿れば、マネマネの実が戦略級の働きをしてたという点に帰結するのもすごかったです。変装能力はマジでヤバイ。如月左衛門以上の働きをしている……。
・一方でチェンソーマンの末弟が変装能力を持っていながら、メンタルの弱さゆえにあんな具合になってるのも、変装能力の諸相という感じで非常に良いですね。
・あと、読切の『MY LITTLE MARS』の主人公のキャラの立て方がすごく上手かったと思うんですが、これはもう純粋に技術的な話になってしまうので、詳しくはFANBOXの感想を見てね。
・それとサムライ8はセリフ回しが改善されましたね。担当が仕事をし始めたのだろうか。日本語がまともになれば岸本先生の伝えたいこと自体は結構興味深い。
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・俺はお船のことを考えては、毎日悲しい気持ちになっている。
特に悲しかったのが、今回、クルーズ船内で感染者が増えたのが、船内での隔離手法の不備によるものである可能性が出てきたことだ。
人間がやることだから、何らかのミスとか想定外は免れないし、隔離も完全にはできないだろうと思ってはいたけど、そういうレベルではなかった可能性がある。
・ただし、岩田教授の告発動画の価値判断は難しい。
もうYoutube動画は見れないと思うけど、簡単に言うと、船内の「感染する恐れがないエリア」と「感染する危険性があるエリア」の境目が曖昧になっていて、医療従事者や乗員、乗客がリスクに晒されている、という内容。
・ショッキングな内容ではあるが、岩田先生だけの意見を即座に鵜呑みにするのは危険なので、船内に関わっている他の医療関係者の認識を確認する必要がある。
・次に岩田先生に批判されている厚労省側の見解と反論を聞く必要がある。
岩田先生のアクションに対して良し悪しを議論するのは、最低限、ここまでの情報が出てからだと思う。
・加えて、岩田先生のアクションに対する肯定的意見と否定的意見で説得力と妥当性のあるものを見ていく。
花喰鳥氏がどこまで真実を語っているのかは分からない。特に、
この情報の真偽次第で岩田先生への評価が大きく変わると思うが、これは現場を見ている人でないと分からないことで、花喰鳥さんが現場のスタッフかどうか分からないので保留せざるを得ない。
・ここまでの情報を元に、現在の私の認識と価値判断を示すなら、まず現場は目の前の事態への対応により疲弊しており、実際に安全管理の厳格さを欠いていた。 岩田教授の動画は「劇薬」であり、現場の士気を下げたり、混乱を巻き起こした点は否めないものの、現場では現に安全管理の不備を指摘し、改善する努力にリソースが払われていなかったので、扇情的な手段による外部圧力によりそれを現場に強制させた。これは実際に人命の懸かったオペレーションであるため、現場のスタッフにさらなる負担がのしかかったにせよ、それでもその点は断固改善するべき点であり(なにせお船にはまだ残っている人たちがいるのだ)、岩田教授のアクションには一定の意味があったと思う。
・……といった評価だが、今後出てくる情報次第で、またこの認識も変わるかもしれない。現時点では岩田教授が「動画以降、ゾーニングが改善されたので、役割を終えた動画を消した」というのは納得できる話だと思う。
・しかし、そういった「個人のアクションの良し悪し」は最終的にはあまり意味がなくて(物語としては面白いが)、その評価を最終的にはシステムに落とし込む必要があるだろう。岩田先生のアクションの功績面を重視するなら、例えば、今後はこのようなオペレーションの際に外部の専門家を定期的に招聘して、問題点を公に指摘するようなシステムを作ることで現場を引き締めるとか、逆に「やっぱり指揮系統の混乱が問題なのだ」ということなら、岩田先生のスタンドプレーがなくとも現場の組織が内部でしっかりと専門家の意見を吸い上げられるような、そういったシステム作りを目指すとか。
・で、ここからは単なる愚痴なのだが、
ツイッターで色々と意見を見ていると、今まで紹介してきたような多面的かつ説得力を持った意見もあれど、一方で、(こういう言い方をするのもどうかと思うが)頭が悪いとしか言いようがない意見も散見されて、それが多くのRTを集めたりしている。 上のものとか本当にひどい。一体、何をどう誤読したらこんな認識になるのか。
現在、現場で指揮を取っているトップはおそらく厚生労働省副大臣のはず。副大臣を押し退けて、自分が指揮権を持てると本当に考えてるとしたら間違いなく狂人だが、まあそんなはずはないだろう。岩田先生がものすごく思い上がっていたとしても、こういった指揮官級に専門家として助言する立場(話をすごく汲み取ってもらえる立場)といった程度だろう。恨みだの政権批判だのは、そんな感情や政治的意図があるかどうかなんて知る良しもないので、考えるだけ無駄。
・今回の一件で様々な意見を見て思ったのが、イデオロギーというのが本当に厄介だということ。今回のお船の騒動には、色んな政治的意図を持った人が様々に事実を歪曲して、都合の良い情報を振りかざしている。様々なノイズが入り込んできてうんざりする。確かに、今回の騒動は政府にも大きな責任があって、批判はされるべきだし政権運営能力を問われる問題ではあるのだけど、だからって事実を歪曲したり、都合よく扇動して良いわけではない。逆に政権を守りたいからと言って、そのために歪曲だの扇動して良いわけでもない。
・こういう言い方をするのはどうかと思うが(二回目)、ツイッターを見ていると、ものすごく頭の悪い人たちが、ものすごくたくさんいて、こういう大衆の愚かさを御していくのが政治家の仕事だと思うと目眩がしてくる。まず第一に、書かれている情報をまともにそのまま受け取れない人がたくさんいる。事実誤認した状態で無茶苦茶なことを言ってる人もたくさんいる。意見が優れているかどうかという遥か以前の問題で、議論の土俵に上がれない人たちがものすごく多く、そういった人たちから凄まじい量のノイズが発せられている。この大衆のアホアホさを誤魔化し誤魔化し、なんとなくそれなりに着地させていく手練手管が政治というものなら、本当にやりたくない仕事だ……。
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<今後の活動予定>
2/19 初めての人歓迎会&今月のニュースと新連載を振り返る会(@マンガ技術研究会)
3/1 定例研究会(@マンガ技術研究会)
4/25 ゲームマーケット
※毎週金曜夜:ダンゲロス・ボードゲーム会(in東中野ディアシュピール)
お布施の窓口:https://www.pixiv.net/fanbox/creator/1149979
(FANBOXに月額課金すると、その溜まったお金でかがみ家が豪華客船でクルーズします)